岡山電軌の岡山駅前広場乗り入れが特許 乗換時間が最大3分短縮、交差点の横断も解消



国土交通省の中国運輸局は3月11日、岡山市内の路面電車を運営する岡山電気軌道(岡山電軌)が申請していたJR岡山駅の駅前広場への乗り入れについて、軌道法に基づき特許すると発表した。3月13日に特許状を交付する。

岡山電軌の岡山駅前広場への乗り入れのイメージ。【画像:国土交通省】

特許されるのは、現在の岡山駅前停留場から岡山駅前広場まで0.1km。現在の岡山駅前停留場は存続し、駅前広場に停留場を新設する。駅前広場の整備費を除いた総事業費は約16億2000万円。2020年度から工事に着手し、2023年度の開業を予定している。

岡山電軌の岡山駅前停留場は、実際には交差点を挟んでJR岡山駅から離れており、「市民や 来訪者にとって電停の場所がわかりにくく、他の交通機関との乗換に時間がかかるなど利便性が低い状況」(中国運輸局)だった。駅前広場に乗り入れることで、JR線と路面電車の乗り換え時間が約1分30秒~3分短縮され、乗り換えの際に交差点を横断する必要もなくなる。

岡山電軌の岡山駅前停留場。左奥にJR岡山駅がある。【撮影:草町義和】

路面電車の整備費の補助制度が充実したこともあり、近年はターミナル駅と路面電車の停留場を近接させて乗り換えを改善するケースが増えた。万葉線(富山県高岡市)は2014年、高岡駅前停留場を移設。2015年には富山地方鉄道(富山地鉄)の路面電車が富山駅の北陸新幹線高架下に乗り入れた。広島電鉄はJR広島駅の新しい駅ビルに高架橋で乗り入れる計画を立てており、2025年春には乗り入れる予定だ。

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