東武鉄道のSL列車「車掌車なし」可能に 客車の直接牽引で「迫力ある走行」アピール



東武鉄道は4月5日、SL列車「SL大樹」「SL大樹『ふたら』」について、4月13日からは車掌車を連結しないで運行する場合があると発表した。

車掌車を連結しなくても運行できるようになった東武鉄道のC11形123号機。【画像:雁坂出版社/写真AC】

「SL大樹」「SL大樹『ふたら』」は通常、C11形蒸気機関車と客車のあいだに車掌車のヨ8000形を連結して走る。4月13日以降、東武鉄道が保有するC11形3両のうち123号機で運行する場合はヨ8000形を連結しないで走る。東武鉄道は「SLが直接客車を牽引することとなり、迫力のあるSL走行をお楽しみいただけます」とアピールしている。

車掌車は貨物列車の車掌が乗務するための事業用貨車。ヨ8000形は1974年から1979年にかけ国鉄の車掌車として1170両が製造された。しかし1980年代半ばには車掌が機関車に乗務するようになり、さらには貨物列車への車掌の乗務自体が廃止に。貨物列車に車掌車を連結する必要がなくなり、現在は控車や関係者の添乗車両として使われている。

東武鉄道のSL列車「SL大樹」。C11形と客車のあいだに車掌車のヨ8000形を連結している。【撮影:草町義和】
C11形にはATSを搭載していないため、ヨ8000形にATSを搭載して運行している。

東武鉄道のC11形は自動列車停止装置(ATS)を搭載していない。そのためJR西日本とJR貨物からヨ8000形2両(ヨ8709・8634)を譲り受け、この2両にATSを搭載した。運行時にはC11形の後ろにヨ8000形を連結する。東武鉄道によると、C11 123にこのほどATSを搭載したため、ヨ8000形を連結しなくても運行できるようになったという。

《関連記事》
東武が駅ポスターで無断使用の画像「著作物ではない」裁判で主張、棄却求める
明知鉄道のSL復活「蒸気機関車+気動車」想定 運行形態や費用試算など明らかに