津軽線北部のデマンドタクシー実験「さらに延長・拡充」運休区間の代行輸送を強化



JR東日本盛岡支社などは3月2日、津軽線の北部の運休区間(蟹田~三厩、青森県)を中心に実施しているデマンド型乗合タクシー「わんタク」の実証実験について、実験期間をさらに1年間延長すると発表した。サービス内容も拡充し、代行バスとあわせて蟹田~三厩の代行輸送を実質強化する。

津軽線の終点で運休区間の三厩駅。【撮影:草町義和】

「わんタク」の営業時間は現在10~16時だが、4月1日から前後1時間を拡大して9~17時にする。配車間隔の目安は30分で、運行エリアは蟹田駅周辺から龍飛崎周辺までの範囲。運行エリア内なら乗降場所を自由に指定できる。運賃は1回500円。小学生以下や障害者、有効期間内の「大人の休日倶楽部パス」「青春18きっぷ」所有者などは300円の割引運賃で利用できる。

このほか、指定されたルートを定められた時間で運行する「わんタク定期便」が4月1日から運行される。ルートは蟹田駅~中小国駅~大平駅~大平山元遺跡~奥津軽いまべつ駅(津軽二股駅)~大川平駅~今別駅~津軽浜名駅~三厩駅~龍飛埼灯台。津軽線の代行バスと同じ場所に停車するが、代行バスの停車がない大平山元遺跡と龍飛埼灯台は駐車場に停車する。一部の便を除いて蟹田駅で津軽線の列車、奥津軽いまべつ駅で北海道新幹線との連絡を図る。

「わんタク定期便」の設定本数は上下計6本で、下り蟹田駅発が9~14時台の3本、上り龍飛埼灯台発は12~16時台の3本。このうち龍飛埼灯台16時00分発の上りは奥津軽いまべつ駅行きで、それ以外の5本の運行区間は蟹田駅~龍飛埼灯台になる。

「わんタク」「わんタク定期便」の運行エリア。【画像:JR東日本】

「わんタク」「わんタク定期便」ともに電話かウェブで予約できる。電話の受付時間は8~20時で、利用日の1週間前から乗車希望便の60分前まで受け付ける。ウェブ予約は24時間対応。利用日の1週間前から乗車日の前日まで受け付ける。運賃は降車時に現金か「Suica」などのICカード、クレジットカードで支払うことができる。

「わんタク定時便」は予約客が指定した乗降場所のほか、時刻表に記載されている各駅・乗降場所に必ず停車する。JR東日本などによると予約なしでも利用できるというが、定員に限りがあるため事前に予約するよう呼びかけている。このほか、津軽線・蟹田~三厩の範囲で「わんタク」「わんタク定期便」への振替乗車が利用できる。

津軽線・蟹田~三厩の旅客列車は昨年2022年8月の水害で盛土・道床が流出するなど大きな被害が発生。現在は同区間で上下計6本の代行バスが運行されている。

これに先立つ7月から、観光促進や生活交通の向上を目的に「わんタク」の実証実験が開始。当初は9月までの予定だったが、津軽線の運休を受けて実験期間が今年2023年3月31日まで延長されていた。今回さらに延長されたことで、「わんタク」の実験期間は来年2024年3月31日までに。これとは別に代行バスも引き続き運行される。

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