大井川鉄道「客車普通列車」運行 地元客向けの電車が「昭和の日常」に変身



大井川鉄道(静岡県)は6月20日から、普通列車の一部を「客車普通列車」として運行する。おもに地元客が利用する普通列車は電車で運行されているが、電気機関車が牽引するレトロな旧型客車が代走する。

大井川鉄道の電気機関車と旧型客車。【画像:大井川鉄道】

「客車普通列車」として運行されるのは、大井川本線で運行されている定期運転の普通列車の一部。6月20~22日と6月27~30日の平日のみ計7日、上下7本の列車を電車から1935~1955年頃に製造された国鉄の旧型客車2両に変更し、編成の前後に電気機関車を連結して走る。運行区間と時刻は次の通り。

金谷16時05分発→新金谷16時10分発→家山16時37分着(※金谷→新金谷は電車)
家山16時52分発→金谷17時25分着
金谷17時38分発→家山18時10分着
家山18時25分発→金谷18時58分着
金谷19時10分発→家山19時42分着
家山19時57分発→金谷20時30分着
金谷20時40分発→新金谷20時44分着→家山21時12分着(※新金谷→家山は電車)

通常運行されている普通列車と同様、途中の各駅に停車。各駅の発着時刻も通常と同じだが、終着駅の到着時刻が最大5分ほど遅れる場合がある。座席は全車自由席で、普通運賃やフリー切符だけで利用可能。車内販売員が乗り込んで飲み物や菓子、酒などを販売するほか、車掌が検札と車内補充券の販売を行う。

大井川鉄道が保有する旧型客車。【撮影:草町義和】
大井川鉄道が保有する旧型客車の車内。【撮影:草町義和】

大井川鉄道は蒸気機関車が旧型客車を牽引するSL列車が知られているが、地元客向けの普通列車は比較的新しい電車で運行されている。大井川鉄道は「昭和の日常を追体験できる非日常」とし、客車普通列車の運行をアピールしている。

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