大井川鉄道の一部復旧で静岡県島田市が予算計上 全線再開めど立たず、協議会設置へ



静岡県島田市は2月10日、来年度2023年度当初予算案の概要を発表した。予算総額は881億5476万円で、このうち一般会計は446億9500万円。鉄道関係では「大井川鉄道災害復旧支援事業」として1666万円を新規計上した。

大井川本線の家山駅。【撮影:草町義和】

大井川鉄道が運営する大井川本線・金谷~千頭は昨年2022年9月、台風15号で土砂崩れなどの大きな被害が発生して全線運休。このうち金谷~家山は12月に運転を再開した。この区間の復旧にかかった費用は約6600万円で、2分の1を大井川鉄道が負担。国と島田市が鉄道軌道整備法の補助制度に基づき4分1ずつ負担するため、島田市は予算を計上した。

残る家山~千頭は現在も運休中で全線再開のめどは立っていない。大井川鉄道は自力での復旧は難しいとして今年2023年1月、静岡県などに対し公共交通のあり方を検討する協議会の設置などを要望。静岡県は本年度2022年度中に協議会を設置する考えだ。

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