京成電鉄の新型車両「3200形」2025年冬に営業運行を開始 先頭部のドアは中央に



京成電鉄は新型車両「3200系」電車について、来年2025年冬の営業運行開始を目指すと発表した。京成電鉄が新形式車両を導入するのは5年ぶり。外観や車内のイメージも同時に公表した。

3200形のイメージ。【画像:京成電鉄】

外観デザインは京成車両の伝統となっている赤と青のカラーリングを踏襲。連結運転時に常時通り抜けが可能な構造とするため、正面貫通扉を中央に配置する。また、2両単位でフレキシブルに編成車両数を変更できるようにし、輸送需要に見合った効率的な走行エネルギーを使用することで環境負荷の低減に努める。

3200形の先頭車の先頭部と側面のイメージ。【画像:京成電鉄】

制御装置はSiC素子を適用したVVVF制御装置を採用。従来車両の3500形電車と比較して電力消費量を約69%削減する。また、車外側面に設置する行先・種別表示器のLEDを走行中に消灯することで、消費電力のさらなる低減を図る。

制御装置や空調装置など車載機器の動作状況をモニタリングし、故障対応の迅速化などによる安全性・安定性の向上を図る。また、モニタリングによるデータを活用することで、将来的には故障の予兆把握やメンテナンスの省力化も図る。

先頭車には車椅子スペースを設置。中間車にはベビーカーやスーツケースなどの大型荷物に対応したフリースペースを設ける。ドア上には17インチLCDの車内案内表示器を2画面設置。停車駅や乗り換え案内などを多言語で表示するほか、列車の運行情報も案内する。

客室照明はLEDを採用して省エネルギー化を推進。空気の浄化効果のあるプラズマクラスターイオン発生装置を設置して車内環境の改善を図る。防犯カメラは1両つき3台設置。非常通話装置に連動して客室内の防犯カメラの映像が乗務員室で確認出来る機能を京成電鉄として初めて採用する。

3200形の客室全景イメージ。【画像:京成電鉄】
3200形の先頭部客室全景イメージ。【画像:京成電鉄】

導入車両数は本年度2024年度が6両編成1本で、2025年冬の運行開始を予定。2025年度以降も継続して順次導入する予定だ。

《関連記事》
京成電鉄の新型「3200形」設計へ、高架化や橋梁の架替工事も 2023年度投資計画
京成電鉄の宗吾車両基地「拡張」工事本格化 新車両工場の整備でどう変わる?