あす10月1日、シールドマシン事業の新会社「地中空間開発」が発足する。資本金は4億8000万円で、川崎重工業と日立造船が出資。両社のシールドマシン事業を統合する。
川崎重工と日立造船は1月、シールドマシン事業の統合に向け基本合意。5月に共同新設分割(簡易分割)で新会社を設立することを決め、準備会社として「川重日立造船シールド準備株式会社」を設立した。分割の効力発生日は10月1日付け。これと同時に商号が「地中空間開発株式会社」に変わる。
両社によると、シールドマシンは今後、国内市場の伸展が限定的になると想定される一方、海外では欧州や北米、南米、中東の市場に参入できる機会があり、インドや東南アジアなどでは地下鉄の整備を中心に継続的な需要が見込まれている。こうしたことから両社は今後の市況環境を見据え、シールドマシン事業の発展・競争力強化のため協力することにしたという。
日本では2016年、JFEエンジニアリングとIHI、三菱重工業のシールドマシン事業を統合したJIMテクノロジーが設立された。川崎重工・日立造船のシールドマシン事業が統合されることで、直径10m以上の大型シールドマシンのメーカーは国内2社に集約される。
シールドマシンはトンネルの工事方法のうち、おもにシールド工法で使われる掘削機。円筒状のマシンの先端がカッターになっていて土砂を削り取る。シールド工法でシールドマシンを使う場合、掘削と同時にマシン後方でセグメントと呼ばれる壁材をトンネルの壁にはめ込んでいく。
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