もう列車が走ってる?「相鉄・東急直通線」地下の工事現場に潜入 土木工事は終盤に

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相模鉄道(相鉄)と東急電鉄の鉄道路線を接続して、神奈川エリアと東京都心のアクセスを改善する新線プロジェクト「相鉄・東急直通線」。ほぼ全線が地下のため、地上からは工事の進み具合が分かりにくい。しかし、土木工事は終盤を迎えている。

相鉄・東急直通線の新横浜トンネルを走る「列車」。セグメントを運んでいる。【撮影:草町義和】

3月19日、同線の工事を担当している鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の案内により、工事現場を取材した。

相鉄・東急直通線は、昨年2019年11月に開業した相鉄・JR直通線の羽沢横浜国大駅(横浜市神奈川区)と、東急電鉄の東横線・目黒線が乗り入れている日吉駅(横浜市港北区)を結ぶ、全長約10kmの新線。途中には新横浜駅と新綱島駅(いずれも仮称、港北区)が設けられる。

取材は日吉寄りからスタート。日吉~新綱島間の綱島トンネルは単線の円形トンネル2本で計画されており、現在は日吉方面に向かう列車が走るトンネルをシールドマシンで掘削している最中だ。鉄道・運輸機構によると、夏頃にはシールドマシンが日吉側に到達する見込み。続いてシールドマシンを折り返して羽沢方面に向かう列車が走るトンネルを掘削し、年内には掘削が完了する見込みだ。

綱島トンネルのシールドマシン。【撮影:草町義和】

新綱島駅の大部分は掘削が完了しており、地下4階に1面2線の島式ホームの構造物が部分的に姿を現していた。ただし日吉寄りの一部は「地上にビルなどの建物が密集していて、(地面から下へ掘り進む)開削が難しい」(鉄道・運輸機構)ため、横から掘り進む非開削の推進工法を採用。パイプを馬てい形に並べるようにして押し込み、その内側を掘ってトンネルを構築する工事が本格化している。

新綱島駅の日吉寄りは非開削の推進工法で建設される。【撮影:草町義和】

新綱島~新横浜間の新横浜トンネルは複線の円形トンネル。新綱島駅から発進したシールドマシンは、すでに新横浜駅のすぐそばまで到達している。なかに入ってみると仮設の線路が敷かれていて、トンネル壁のコンクリートブロック(セグメント)を積んだ台車がバッテリー機関車に引かれてゆっくりと走っていた。まだ開業していないのに「列車」が走っているという、ちょっと面白い光景だ。

新横浜駅は横浜市営地下鉄ブルーラインの新横浜駅とほぼ直角に交差。交差部分の工事は横浜市交通局に委託しており、その前後の部分を鉄道・運輸機構が担当している。地下4階には2面3線構造の島式ホームが姿を見せていた。

2面3線のホームが姿を現した新横浜駅。【撮影:草町義和】

新横浜~羽沢横浜国大間の羽沢トンネルも新横浜トンネルと同じ複線の円形トンネルで、シールドマシンを使って掘削している。ただしトンネルの壁の構築方法が場所によって異なり、工場で製造したセグメントをはめ込むシールド工法と、その場でコンクリートを打設するSENS(センス)工法を組み合わせている。シールド工法とセンス工法を組み合わせた工事は、この羽沢トンネルが初めてという。

シールド工法とセンス工法で建設された羽沢トンネル。【撮影:草町義和】

掘削は今年2020年2月に完了し、現在は内壁と線路を敷くための路盤を構築するための工事が中心だ。ここにも仮設の線路が敷かれていたが、「列車」に載せられていたのは部品類。掘削が完了したため、シールドマシンを構成する部品を搬出していた。

相鉄・東急直通線は2022年度下期に開業の予定。早ければ2年半後、遅くとも3年後には列車の運転が始まる。同線と相鉄・JR直通線を経由して相鉄線と東急線の直通運転が行われる予定で、営業上は新横浜駅を境に相鉄側の西谷~新横浜間が「相鉄新横浜線」、東急側の新横浜~日吉間が「東急新横浜線」になる。

相鉄線の二俣川駅から東急目黒線の目黒駅までの所要時間は、現在(横浜駅で乗り換えるルート)より16分程度短縮されて約38分になる見込み。相鉄線や東急線から東海道新幹線の駅がある新横浜へのアクセスも改善される。

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