若桜鉄道がダイヤ改正で大幅増発 鳥取のローカル線、運転本数ほぼ1.5倍に



若桜線を運営する若桜鉄道は3月14日に実施するダイヤ改正で、列車の運転本数を大幅に増やす。中間駅の改修により増発が可能になった。

若桜鉄道の気動車。【撮影:草町義和】

若桜線は郡家(鳥取県八頭町)~若桜(同県若桜町)間19.2kmのローカル線。同線の運転本数は現在1日10往復で、このうち7往復はJR因美線に乗り入れて鳥取駅に直通している。3月14日のダイヤ改正で運転本数は1日15往復(土曜・休日は14往復)に。JR線への乗り入れは1往復減って6往復になるが、ほぼ1.5倍の本数になる。

若桜線は1930年に国鉄線として開業。1981年、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)に基づき廃止対象路線に指定されたが、第三セクター化で存続することになり、1987年に第三セクターの若桜鉄道が経営を引き継いだ。

開業以来、利用者はほぼ一環して減少し続けており、経営も悪化。国土交通省鉄道局の公表資料によると、1日の平均通過人員(旅客輸送密度)は2001年度が858人だったのに対し、2008年度は541人に落ち込んだ。

2009年、八頭町と若桜町が施設を保有し、若桜鉄道は両町から無償で施設を借りて列車を運転する公有民営の上下分離経営に移行して経営の改善を図ることに。その後数年間の若桜鉄道は黒字を計上したが、2012年度以降は再び赤字経営になった。利用者も減少し続けており、2016年度の旅客輸送密度は404人となっている。

こうしたなか、観光客誘致の一環として観光車両を導入することになり、気動車4両のうち3両を観光車両タイプに改装。また「若桜駅では最大で約3時間の待ち時間が生じる時間帯もあり、地域移動にも観光にも使いづらいものとなっている。また、住民アンケートの結果でも増便を望む声が多い」(八頭町)として、若桜線の増発計画も浮上した。

同線は全区間が単線で列車の増発が難しいことから、中間の八東駅に列車の行き違い設備を整備。これにより増発が可能になった。列車の大幅な増発で利用者の減少に歯止めをかけられるかどうか、注目される。