リニア中央新幹線の工事実施計画「すべて認可」工事費の増額や工事完了時期の変更も



国土交通大臣は12月28日、JR東海が申請していたリニア中央新幹線・品川~名古屋の工事実施計画の変更などを認可した。これにより品川~名古屋の開業に必要な設備がすべて認可されたほか、工事費の増額や工事完了予定時期の変更も認可された。

リニア中央新幹線の神奈川県駅(仮称、2022年9月撮影)。【撮影:草町義和】

JR東海はリニア中央新幹線の工事実施計画を各種施設ごとに分割して申請し、認可を受けている。おもに土木関係の工事内容を定めた「その1」を2014年に申請し認可。電気・通信関係の計画を定めた「その2」は2017年に申請し、翌2018年に認可された。残る駅設備や車両基地設備、車両などは「その3」として今年2023年12月14日に申請し、12月28日に国交相が認可した。

このほか、「その1」「その2」で認可済みだった項目の一部変更も「その3」と同時に申請して認可された。線路の位置は山梨県駅(仮称)のホーム位置を変更。工事方法は設計の深度化で品川駅と名古屋駅の変電所の電気回路の変更などを行った。

リニア中央新幹線・品川~名古屋のルートと駅・車両基地・トンネルの位置。【画像:国土交通省】

工事予算は「その1」「その2」認可分(4兆8535億円)と今回の「その3」新規認可分(6700億円)のほか、ターミナル駅での難工事への対応や地震対策の追加、発生土活用先の確保などで1兆5247億円の増額になり、工事費の総額は7兆482億円になった。

工事完了予定時期は「南アルプストンネル(静岡工区)のトンネル掘削工事に未だ着手の見込みが立たない状況」(JR東海)を踏まえ、従来の2027年から「2027年以降」に変更された。JR東海は「工期の見通しが立った段階で、改めて工事の完了の予定時期の変更申請を行う予定」としている。

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