急行「砂丘」「鷲羽」復活、岡山で企画列車を運行 国鉄車が多数残る「強み」生かす



JR西日本は5月19日、「おか鉄フェス2022」と題したイベントを岡山・備後エリアで開催すると発表した。大型観光キャンペーン「岡山デスティネーションキャンペーン(岡山DC)」を含む7月1日~12月下旬の期間、かつての急行列車のリバイバル運行や新しい観光列車の運行などを行う。

リバイバル運行・観光列車などの概要は次の通り。

●急行「砂丘」(リバイバル運行)
岡山~津山~鳥取間で運行されていた国鉄・JRの気動車急行「砂丘」をイメージした列車。今回は岡山~智頭間で運行される。運行の概要や販売方法、価格などは後日案内される。

キハ58系で運行されていた気動車急行「砂丘」。【画像:JR西日本】

●急行「鷲羽」(リバイバル運行)
大阪~岡山~宇野間で運行されていた国鉄の電車急行「鷲羽」をイメージした列車。今回は姫路~宇野間で運行される。運行の概要や販売方法、価格などは後日案内される。

大阪~宇野間で運行されていた急行「鷲羽」。【画像:JR西日本】

●SAKU美SAKU楽(さくびさくら)
7月1日から津山線の岡山~津山間で新たに運行される観光列車。桜をイメージした淡いピンク色をベースに四季折々の花びらを車体にデザインした車両を使用する。金・土・日曜日は臨時列車として1両で運行。月曜日は定期列車の快速「ことぶき」に連結して岡山~津山間を1日2往復する。車内サービスと切符をセットにした旅行商品が「せとうち観光ナビ『setowa』」や、おもな旅行会社で販売される。

「SAKU美SAKU楽」のイメージ。【画像:JR西日本】

●みまさかスローライフ列車
「キハ40・47系ノスタルジー車両」を使用して2019年11月まで毎年春・秋に運行されていた列車を約3年ぶりに運行するもの。今回は7月24・25日の2日間、因美線の津山~那岐間で運行される。

●381系国鉄色化リバイバル編成
381系の1編成を国鉄時代の塗装に塗り直し、3月19日から伯備線の特急「やくも8・9・24・25号」で運行中。

いわゆる「国鉄色」の381系で運転されていた頃の「やくも」。【画像:JR西日本】

●「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」岡山DC特別運行
8月27日に岡山~尾道間を夕刻に走行。通常の「ラ・マル・ド・ボァ」とは異なる瀬戸内の夕景や夜の列車の雰囲気を乗客に味わってもらう。詳細は後日案内される。

「ラ・マル・ド・ボァ」の車両。【撮影:草町義和】

●「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」岡山DC特別運行
京阪神から岡山エリアに向け運行される。詳細は決まり次第案内される。

JR西日本の長距離列車「ウエストエクスプレス銀河」。【撮影:鉄道プレスネット】

●「TWILIGHT EXPRESS(トワイライトエクスプレス)瑞風」岡山DC特別運行“瑞風デイトリップ”
7月2日に京都10時22分→新見16時18分の行程で運行される。この列車を利用する商品は発売終了済み。

JR西日本のクルーズトレイン「トワイライトエクスプレス瑞風」。【撮影:草町義和】

今年2022年は日本の鉄道開業150年で、岡山では山陽新幹線・新大阪~岡山間の開業50周年や特急「やくも」伯備線運行開始50周年を迎える。こうしたことから「おか鉄フェス2022」が企画された。

これらの列車は「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」を除き、国鉄時代に運行されていた列車の復活や、国鉄時代に製造された車両による運行だ。JR西日本は「岡山・備後エリアは、国鉄型の車両が今でも現役で運行する、全国でも希少なエリアです。こうした強みを生かして、かつて運行していた列車をイメージした団体臨時列車の運行を予定しています」としている。

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