特急「やくも」381系、昔懐かしの国鉄色に 新型導入で定期特急から国鉄車消滅へ



JR西日本は2月16日、岡山~出雲市間の特急「やくも」で運用している381系について、6両編成1本を「国鉄色化リバイバル編成」として運転すると発表した。「やくも」の運転開始50周年にあわせ、3月から運転される。

いわゆる「国鉄色」の381系で運転されていた頃の「やくも」。【画像:JR西日本】

現在の「やくも」381系は白と赤をベースにした塗装。リバイバル編成は国鉄時代に製造された当時の塗装を復刻し、クリームをベースにライト回りや窓回りを赤で塗装した「国鉄色」に変更する。3月19日以降、特急「やくも8・9・24・25号」で運用される。

「やくも」は1959年、米子~博多間を山陰本線経由で結ぶ準急列車として運転開始。列車名は島根県東部の旧国名「出雲」の枕詞「八雲(やくも)立つ」にちなんでいる。1964年からは新大阪~浜田間を結ぶ特急列車に変わった。

岡山~山陰方面を伯備線経由で結ぶ特急になったのはいまから50年前、山陽新幹線の新大阪~岡山間が開業した1972年3月。当初は特急型気動車のキハ181系で運転されていたが、1982年の伯備線・山陰本線電化にあわせて381系が導入された。

381系は1973年にデビューした国鉄の特急型電車。営業用の鉄道車両としては日本で初めて振り子装置を搭載した。中央本線の「しなの」や紀勢本線の「くろしお」、伯備線の「やくも」などに導入されたが、老朽化のため順次引退。現在運用されているのは「やくも」だけだ。

381系で運転されている現在の「やくも」。【画像:H.Motti/写真AC】

「やくも」は2024年春以降、新型車両の273系が順次導入される計画で、381系も順次引退する見込み。381系がすべて引退すると、国鉄時代に製造された特急型電車が毎日運転の定期列車から消滅する。

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