陰陽特急「やくも」に新型「273系」新しい「振り子」採用、2年後の春から



JR西日本は2月16日、岡山~出雲市間を結ぶ山陽・山陰連絡特急「やくも」に新型車両「273系」を導入すると発表した。投資総額は約160億円。

「やくも」に導入される273系のシルエットイメージ。【画像:JR西日本】

JR西日本は2020年10月、中期経営計画の見直し内容を公表。そのなかで「やくも」の車両新製を盛り込んでいた。今回発表された273系は特急型直流電車。詳細な仕様やデザインは明らかにしていないが、関空アクセス特急「はるか」に導入された271系に似たシルエット画を公表している。防犯カメラを設置して車内セキュリティーの向上を目指すほか、車体の衝突安全対策や機器の二重化などを施す。

また、「車上型の制御付自然振り子方式」を新たに開発し、乗り心地を向上。JR西日本と鉄道総合技術研究所(鉄道総研)、川崎車両の共同開発によるもので、車上の曲線データと走行地点のデータを連続して照合し、適切なタイミングで車体を傾斜させる。JR西日本によると、この方式の振り子車は国内初という。

このほか、座り心地を改善した座席を採用して座席間隔も拡大。空気清浄機を搭載するほか抗菌・抗ウイルス加工による車内環境の安心性を図る。バリアフリー関連では、車椅子スペースを拡大するほか、多目的室の設置などを実施。付帯サービスとしては車内Wi-Fiサービスを展開し、全席にコンセントを設ける。また、大型荷物スペースを設置する。

環境負荷軽減策としては、エネルギー変換効率に高めたVVVF制御装置を採用。LED照明などによる省エネ化を図る。

381系で運転されている現在の「やくも」。【画像:H.Motti/写真AC】

JR西日本は273系を44両(4両編成11本)導入する計画。2024年春以降、営業運転を開始する予定だ。これにより現在「やくも」で運用されている国鉄特急型電車の381系を順次置き換える。

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