JR宇都宮線の古利根川橋梁「架替」3月に着工 長さ3倍、7年後の架替完了目指す



JR東日本の大宮支社は2月17日、東北本線(宇都宮線)・東鷲宮~栗橋間の中川に架かる古利根川橋梁(埼玉県久喜市)の架替工事に3月から着手すると発表した。2029年春頃までの架替完了を目指す。

架替後の古利根川橋梁のイメージ。【画像:JR東日本】

現在の古利根川橋梁は長さが約30m。河道の拡幅に伴い、いまより3倍の長さになる約90mの橋梁に架け替える。JR東日本が公表した工程によると、まず現在の橋梁の西側(上流側)に仮設の橋梁と線路(仮線)を設置。2024年春頃に下り線を仮線に切り替え、2025年春頃には上り線も仮線に切り替える。

その後、新橋梁の新設工事に着手。2025年度後半には現在の橋梁を撤去する。新しい橋梁への切替は上り線が2028年春頃、下り線が2029年春頃の予定。仮線は2029年度から2030年度にかけ撤去する。橋梁の脇にある島川踏切は2024年春頃から一時撤去され、工事の完成時には復活する計画だ。

架替の切替手順。合計4回の切替が行われる計画。【画像:JR東日本】

中川・綾瀬川流域では1950年代後半以降の急激な市街化の進展とともに水害が深刻化し、流域では保水・遊水機能の維持・増大を図る総合的な治水対策が進められている。このうち中川では河川管理者の埼玉県による河川改修工事が順次進められている。

新しい古利根川橋梁の縦断面図(下)。川幅の拡大にあわせ橋梁も長くなる。【画像:JR東日本】

古利根川橋梁の架替工事も埼玉県の河川整備計画に基づくもの。古利根川橋梁との交差部で河道を拡幅して氾濫を可能な限り防ぐことが計画されたことから、同橋梁を架け替えることになった。昨年2021年3月、埼玉県とJR東日本が改築工事の施行協定を締結し、JR東日本が工事を受託した。

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