駅舎など「3Dプリンター」で建設 JR西日本が技術会社と資本業務提携



JR西日本グループのJR西日本イノベーションズと3Dプリンター建設技術を持つセレンディクスは5月15日、資本業務提携した。JR西日本イノベーションズが「3Dプリンター建設技術を生かした鉄道分野を主とする生産性向上」を目的に第三者割当増資を引き受けた。3Dプリンター建設技術を応用した鉄道施設の整備を目指す。

セレンディクスの3Dプリンター住宅「serendix10」。【画像:セレンディクス】

セレンディクスは3Dプリンター技術を活用した住宅の開発・販売を展開。2022年3月、3Dプリンター住宅を23時間で完成させた。

JR西日本・JR西日本イノベーションズ・セレンディクスの3社によると、3Dプリンター住宅は施工期間が短く、それに伴う人件費の削減が期待できる。コンクリート製のため木造建築に比べ長期間使用でき、耐震性も高い。セレンディクスが保有する3Dプリンティング技術を駅舎など鉄道施設の建築に応用し、それにより施工期間の大幅な短縮とコスト削減を目指すという。

呉線・安芸川尻駅の古びた駅舎。JR西日本は3Dプリンター技術を応用した鉄道施設の建築を目指す。【撮影:草町義和】

3社は「労働力不足が課題となる中でも、着実に鉄道施設の更新を進めていくことで、鉄道の持続性を高め、長期ビジョンに掲げる『安全、安心で、人と地球にやさしい交通』の実現に寄与してまいります」としている。

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