横浜「関東大震災と鉄道」企画展 震災100年、被災から復旧へ記録写真や出土資料など



公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団が管理運営する博物館施設「横浜都市発展記念館」(みなとみらい線の日本大通り駅付近)で1月15日から、「激震、鉄道を襲う!―関東大震災と横浜の交通網―」と題した企画展が開催される。

無がい車に乗って横浜から地方へ避難する人々。【画像:横浜都市発展記念館所蔵】

来年2023年には関東大震災から100年を迎える。この企画展では、震災からの復旧工事に携わった木村義麿(1885年~1946年)が残した写真アルバムを中心に、横浜の交通網の被災から復旧、復興に至る様子を紹介する。ほかにも、横浜市電気局(現在の交通局)の写真帳や市民の日記、震災遺構からの出土資料などを展示する。

横浜市ふるさと歴史財団によると、木村は鉄道省の技術職員として現在の東海道本線の馬入川橋りょうや酒匂川橋りょう、白糸川橋りょうの工事に従事。その過程の写真約500枚を写真帳にまとめた。木村の残した写真からは、東海道本線の復旧工事の過程だけでなく当時の高い土木工事の様子がうかがえるという。

関東大震災鉄道復旧工事写真帳。【画像:河邊啓太郎所蔵/横浜開港資料館保管】
操重車(クレーン車)のオソ10形と復旧工事に従事した人たち。【画像:横浜都市発展記念館所蔵】
関東大震災で被災した横浜市電の120形(本牧箕輪下電車停留所付近)。【画像:横浜都市発展記念館所蔵】

企画展の開催期間は1月15日~3月27日で開館時間は9時30分~17時。休館日は月曜(月曜日が祝日の場合は翌日)だ。会期中、1月29・30日と2月13日、3月12・13日は各日13時30分から30分程度、展示解説(先着15人)が行われる。観覧料は500円(小中学生おもび横浜市内在住65歳以上は250円)。

関東大震災100年に先立つ今年2022年には、日本初の本格的な鉄道である新橋(のちの汐留)~横浜(現在の桜木町)間の官設鉄道が開業して150年を迎える。横浜市ふるさと歴史財団は「近い将来の発生が指摘されている大規模地震への備えが叫ばれる中、(この企画展が)鉄道と災害の歴史を見直すきっかけになれば」としている。

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