通勤電車の「6ドア車」引退 30年の歴史に終止符、「5ドア車」も風前のともしび



JR東日本の中央線と総武線を走る各駅停車(中央・総武緩行線)の電車で、ドアを片側に6カ所設けた「6ドア車」を組み込んだ編成の運転が終了した。これにより中央・総武緩行線の車両は4ドア車に統一。日本の鉄道から6ドア車が姿を消した。

中央・総武緩行線での運用を終了した「6ドア車」。【撮影:草町義和】

JR東日本の千葉支社によると、中央・総武緩行線の6ドア車は3月13日限りで運用を終了。今後は廃車の予定で、譲渡・保存の計画はないという。

通勤電車のドアは通常、片側に3カ所(長さが約18mの車両)か4カ所(同約20mの車両)設けられているが、1990年、長さ約20m・4ドアの車両が使われている山手線に初めて6ドア車を組み込んだ編成が登場。翌1991年には山手線の全編成に6ドア車が組み込まれた。

従来の4ドア車より出入口が増えたことから乗り降りにかかる時間が短くなり、列車の遅延を抑えるのに役立った。その一方、ラッシュ時には座席を収納して立席専用としたことから「客を荷物扱いしている」との批判の声も上がった。

その後、京浜東北・根岸線や東京急行電鉄(現在の東急電鉄)田園都市線などにも導入されたが、新線の開業や複々線化、少子高齢化などで混雑が緩和。さらにホームドアの整備が計画されるようになると、ドアの数が異なる複数の車両に対応するのが難しいという問題も出てきたことから、6ドア車の導入路線は縮小した。

2017年には、6ドア車を組み込んだ編成が走る路線は中央・総武緩行線だけに。同線も4ドア車への統一が順次進められ、今年2020年3月の初旬には6ドア車を組み込んだ編成が2本だけになっていた。

すでに引退済みのJR東日本の6ドア車の一部は、インドネシアの首都ジャカルタの都市鉄道に譲渡。いまも現役で運転されている。

インドネシアの首都ジャカルタに渡った6ドア車。【撮影:草町義和】
インドネシアの首都ジャカルタに渡った6ドア車。【撮影:草町義和】
インドネシアの首都ジャカルタに渡った6ドア車。【撮影:草町義和】

このほか、長さ約18mで片側5カ所にドアを設けた「5ドア車」を組み込んだ編成が、東武鉄道の伊勢崎線(東武スカイツリーライン)~東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線の直通列車で一部運用されているが、新型車両の置き換えで長さ約20mの4ドア車にまもなく統一される予定だ。

東武スカイツリーライン~東京メトロ日比谷線の直通列車で運用されている、5ドア車を組み込んだ編成。【撮影:草町義和】

1970年にデビューした京阪電気鉄道(京阪電鉄)の約18m・5ドア車も、ホームドア整備の準備に伴い順次廃車されており、2020年度中には引退するとみられる。

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