消える「各駅停車の快速」に乗ってみた 中央線の快速と各駅停車が完全分離へ

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ダイヤ改正ではさまざまな新しい列車がデビューするほか、従来の列車や車両が消えるタイミングにもなっている。今年2020年3月14日のJRダイヤ改正でも、東京と伊豆を結ぶ新しい特急「サフィール踊り子」がデビューする一方、それまで運転されてきた特急「スーパービュー踊り子」が廃止される。

東京駅で発車を待つ「各駅停車の中央線快速」。【撮影:草町義和】

中央線でも大きな変化がある。あまり知られていない存在だが、「各駅停車の快速列車」の消滅だ。

東京駅を発着するオレンジ帯の快速列車(中央線快速)は、御茶ノ水~新宿間では四ツ谷駅を除いて停車しない。その代わり、中央線と総武線を直通する黄色い帯の列車(中央・総武緩行線)列車(中央・総武緩行線)が各駅に停車している。

しかし、早朝・深夜の一部の列車は運転形態が異なる。快速は御茶ノ水駅で緩行線の線路に移り、御茶ノ水~新宿間は各駅に停車。千葉方面からやってきた緩行線の列車は御茶ノ水駅で折り返し、中央線には直通しない。この早朝・深夜の運行形態が3月14日のダイヤ改正で消滅し、中央線快速と中央・総武緩行線は完全に分離される。

消滅まであと数日に迫っていた3月10日、東京駅から「各駅停車の中央線快速」に乗ってみた。

■オレンジ帯だけど黄色い案内表示

22時53分頃、東京駅の1番線ホームに折り返し各駅停車の豊田行きになる列車が入線。オレンジ色の帯を巻いたE233系電車で、見慣れた中央線の快速列車だが、先頭の案内表示器には、黄色地に「各駅停車」の4文字が大きく表示されていた。

帯はオレンジだが案内表示は黄色地に「各駅停車」。【撮影:草町義和】

22時55分頃に発車。中央線の快速列車と同様、神田駅と御茶ノ水駅に停車していく。御茶ノ水駅を発車すれば、中央線快速用の線路から中央・総武緩行線用の線路に移るはずだが、御茶ノ水駅を発車してもなかなか移らない。

もしかして列車を乗り間違えたか……と少し焦ったころ、列車が少し横揺れした。暗くてよく見えないが、快速線と緩行線をつなぐ線路(渡り線)に進入したようだ。

この渡り線、新宿方面→東京・千葉方面は御茶ノ水駅のすぐ手前に設けられている。これに対して東京・千葉方面→新宿方面は、総武緩行線から中央快速線に移る渡り線が御茶ノ水駅のすぐ先にあるが、中央快速線から総武緩行線に移る渡り線は、御茶ノ水~水道橋間のほぼ中央部に設置されており、御茶ノ水駅からかなり離れている。そのため、緩行線の線路へ移るのに時間がかかったのだ。

渡り線を御茶ノ水駅から離れた場所に設置しているのは、総武線の御茶ノ水折り返し運転に対応するためといえる。

■「離れた渡り線」で折り返しに対応

御茶ノ水駅には、列車を折り返すための線路(引上線)がない。そのため、千葉方面からやってきた早朝・深夜の総武緩行線の列車は御茶ノ水駅に到着後、そのまま緩行線を新宿方面に少し進んで停車し、折り返して御茶ノ水駅に戻るようにしている。つまり営業列車が走る線路を引上線の代わりとして使っているわけだ。このようなケースはここだけというわけではないが、ちょっと珍しい。

快速(オレンジ)と緩行(黄色)が走る線路。【作成:草町義和】
早朝・深夜は快速が御茶ノ水駅の新宿寄りで緩行線に移り、緩行線の列車は御茶ノ水駅の新宿寄りで折り返す。【作成:草町義和】

この場合、御茶ノ水駅のすぐそばに快速線→緩行線の渡り線があると、緩行線の列車が折り返しているあいだは線路もふさがれるため、快速線から緩行線に移れない。そこで、緩行線の線路上に折り返しの列車が存在していても快速線から緩行線に転線できるよう、渡り線を離れた場所に設けたのだ。

御茶ノ水駅から新宿寄りを望む。総武線からやってきた御茶ノ水折り返しの緩行線の列車(右)が新宿寄りの緩行線の線路をふさぐため、仮に駅のすぐそばに渡り線があると快速列車(左)は緩行線の線路に移れなくなる。【撮影:草町義和】

総武緩行線の御茶ノ水折り返しも、3月14日のダイヤ改正で消滅する。事故や車両故障のトラブルなどで突発的に折り返し運転が行われることはあるだろうから、「離れた渡り線」が撤去されることはないだろうが、御茶ノ水折り返しを毎日見ることができなくなるのは確かだ。

列車は水道橋、飯田橋、四ツ谷と各駅に停車し、信濃町駅で下車した。ホーム上にある案内表示は中央・総武緩行線のラインカラーである黄色を用いたデザインなのに、ホームに続々とやってくるのはオレンジ帯のE233系ばかりで、ちょっとした違和感を覚える。

屋根からぶら下がっている番線表示を見ると、行き先を案内する部分に一部シールが貼られていて、シールの凸凹から「東京」「立川」の文字を隠しているようだ。3月14日のダイヤ改正で、この駅から直接行くことができなくなる駅の名称を隠したのだろう。ダイヤ改正まで残り4日だったが、準備はほぼ完了していたようだった。

信濃町駅の案内。ダイヤ改正後は同駅から直接行くことができなくなる「東京(駅)」の文字がテープで覆われていた。【撮影:草町義和】
御茶ノ水駅に進入する早朝の東京行き各駅停車。緩行線の線路から快速の線路に移っている。【撮影:草町義和】
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