京王電鉄は5月10日、京王線に新型通勤車両「2000系」を導入すると発表した。2026年から2027年にかけ導入する。
製作会社は総合車両製作所(J-TREC)。「もっと、安全に、そして安心して、これからもずっと、のっていただける車両を。全ての世代に、やさしく、そして、ワクワクしてもらえる車両を」をコンセプトに掲げた。1編成の車両数は10両。
外観は円をモチーフにしたラウンド型を採用。これにより「多くの人が優しさを感じ、安心できる車両」を表現したとしている。内装もラウンド型をモチーフにして「心を落ち着かせるナチュラルな空間」を演出する。京王グループの感性AI社が提供する「人の感性を分析できるAIサービス」も使用し、幅広い世代の利用者や社員の声から得られたニーズを分析。最もコンセプトにマッチするデザインを採用したという。
また、京王電鉄としては初採用となる大型フリースペース(仮称)を設置。座席を廃止することでベビーカーや車椅子利用者にとって利用しやすいエリアとし、子供が夢中になれるよう大型窓を採用する。設置車両は車両乗降時にエレベーターに近い5号車にする。
安全・安心対策としては、リアルタイム伝送機能を持つ車内防犯カメラを各車両に4台設置。従来車両を2000系に置き換えることで車両の併結による非貫通車両の解消を図るほか、客がトラブル発生を乗務員などへ速やかに通報できるよう車内非常通話装置の双方向対話式化を推進する。
バリアフリー面では車椅子スペースを各車両に1カ所設置。開いているドアをチャイム音で知られる装置も設置する。ドア付近ではつり手を5個増設し、つり手を利用できる人を増やす。また、「ナノイーX」方式の空気清浄機を各車両に2台搭載して車内環境の向上を図る。
消費電力の削減や車両の軽量化を図るため、従来より環境性能をさらに高めたフルSiC素子の新型VVVFインバーター制御装置を導入。従来車両の7000系に比べ約20%の省エネ性能の向上を図る。
また、車両機器を常時監視できる車両情報管理装置を採用。車両の不具合が発生したときの早期対応を図るほか、蓄積したデータを予防保全に活用する。これにより安全性・安定性の向上に加え、鉄道オペレーションの高度化・効率化を図る。
まず2026年初めに10両編成1本の営業運行を開始。2027年3月までに合計40両(10両編成4本)を導入する計画だ。
※加筆しました。(2024年5月10日16時44分)
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