川崎重工の鉄道車両部門が来年分社化へ



大手重工メーカーの川崎重工業は11月2日、鉄道車両の製造事業を来年2021年10月に分社化すると発表した。

中国国鉄のCRH2形電車。川崎重工がJR東日本の新幹線E2系電車をベースに開発し、一部車両の製造と中国メーカーへの技術供与を行った。【撮影:草町義和】

同社が定めた川重グループの中長期的な事業方針「グループビジョン2030」に盛り込んだ。車両事業の自主再建の目途が付きつつあるなか、分社化により資本の独立性を高めることで自律的な事業経営を徹底していくとしている。

川崎重工は、新型コロナウイルス感染拡大による国内の鉄道利用者の減少と、それに伴う鉄道投資計画の見直しがあり、海外でも新線の建設工事の遅れなどがあるとする。その一方、アジア各国の経済発展などに伴う鉄道インフラのニーズがあり、今後も世界的に比較的安定した成長が見込まれるとし、分社化で機動性や柔軟性を高め、業界各社との連携・協業に取り組んでいくという。

川崎重工はこのほか、二輪車事業なども2021年10月に分社化する方針。造船事業は2021年4月にプラント事業と統合する方針だ。