祖谷渓温泉観光は2月21日、同社が経営する「和の宿 ホテル祖谷温泉」(徳島県三好市)のケーブルカーに新しい車両を導入すると発表した。19年ぶりの更新で4代目。2月22日から運行を始める。

車両の名称は「シン・ケーブルカー肆号機(4号機)」。デザインは壁画絵師の木村英輝さんが監修した。車体は水色をベースにイワツツジの花が描かれており、車内も天井にヤブツバキが描かれている。定員は17人で車体の大きさは長さ9.15m・幅1.6m。


ホテル祖谷温泉は日帰り入浴の場合、営業時間が7時30分~18時(最終受付時間は17時)。料金は露天風呂・展望風呂・ケーブルカー乗車のセットで大人1700円・子供900円になる。
ホテル祖谷温泉は秘境として知られる祖谷渓の温泉宿。1972年にオープンした。ホテルの施設は山腹にあり、その下の谷底に源泉掛け流しの露天風呂が設けられている。1984年、ホテル施設と露天風呂を結ぶ9人乗りのケーブルカーが整備され、アクセスの改善が図られた。


ケーブルカーの高低差は約170mで、レールの長さは約250m。傾斜角42度の斜面を5分で移動する。車両は何度か更新されており、1988年には15人乗りの「弐号機」に更新して輸送力を強化。「参号機」は19年前の2004年に導入された。老朽化のため今年2023年2月に「参号機」の運行が終了し、新たに搬入された「肆号機」が2月16日に設置された。
このケーブルカーは鉄道事業法に基づくものではないが、国土地理院の地形図では「特殊鉄道」の記号で描かれている。
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