
山形県は山形・福島県境部に山形新幹線の新しいトンネルを整備する構想の調査費を、本年度2021年度の一般会計補正予算案に計上。9月17日、県議会の9月定例会に提案した。予算額は限度額2200万円。
このトンネルは、山形新幹線の列車も走っている奥羽本線(山形線)の短絡ルートとして整備するもの。JR東日本が2017年度にまとめた調査結果で示された想定案によると、福島県側の庭坂駅付近から山形県側の関根駅付近まで24.9kmの短絡線を整備。このうち23.1kmが「板谷峠長大トンネル」(新板谷トンネル)になる。
勾配は現在の最大33パーミル(1000m進むと高さが33m変わる)のところ10パーミルに緩和。急なカーブも減り、所要時間は10分程度短縮されるという。

このほか、新板谷トンネルを通ることで天候の影響を受けにくくなり、列車の運休や遅れが減る効果がある。また、トンネルを標準的な新幹線(フル規格)と同じ大きさで整備すれば、将来的な構想である奥羽新幹線(福島~山形~秋田)に転用することが可能だ。
事業費は概算で1500億円だが、フル規格に対応したトンネルを整備する場合は1620億円程度になる。工期は着手から約15年と考えられている。
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