JR東日本と秋田県は7月26日、「秋田新幹線新仙岩トンネル整備計画」の推進に関する覚書を締結したと発表した。覚書の概要は次の通り。
・JR東日本と秋田県は新仙岩トンネル整備計画の早期実現に合意し、取組の推進に当たっては緊密な連携のもと情報の交換等に努める
・事業スキームの確定に向けた検討や事業化に資する調査と検討、財政的支援を得るための国への働きかけなどを実施する
新仙岩トンネルは、田沢湖線(秋田新幹線)の赤渕~田沢湖間18.1km(現在の営業キロ)に整備することが考えられているトンネル。岩手県と秋田県の県境部で、アプローチ部を含む約15kmの区間に整備することが検討されている。事業費は約700億円、工期は着工から約11年が想定されている。
秋田県が2020年3月にまとめた調査結果によると、建設投資による経済波及効果は約1113億円。所要時間は約7分短縮され、時間短縮による利用者便益は年間約11億円という。このほか、天候に左右されにくいトンネルを走行することで、運休や遅延も減るといった利点がある。
JR東日本と秋田県は2017年11月以降、新仙岩トンネル整備計画の実施に向け、経済波及効果の分析などを行ってきた。両者は現在、「国への要望等をより説得力を持って行えるように、本整備計画の実現に向けた具体の取組、連携方策」について協議を進めているという。
両者は今後、相互に連携、協力しながら整備計画を進めていくとしている。
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