JR西日本とJAXA「宇宙開発」スカパーJSATも参加 鉄道向けAIの技術提供



宇宙航空研究開発機構(JAXA)・スカパーJSAT・JR西日本の3者は5月23日、3者による事業共同実証活動を開始すると発表した。鉄道の故障予測AIを人工衛星など宇宙機で活用することを目指す。

宇宙開発に挑むJR西日本のイメージ。【撮影:草町義和(車両)、画像:PIROSHI630610/写真AC(背景)、加工:鉄道プレスネット】

JR西日本は社内で開発した自動改札機の故障予測AIなどを実際の業務に使用している。事業共同実証活動では、同社のAI開発技術や業務実装ノウハウを提供。JAXAやスカパーJSATの知見を取り込み、宇宙機向け検知AIについて実装のための設計・制作を行う。

3者の事業実証共同活動のイメージ。【画像:JR西日本・スカパーJSAT・JAXA】

3者によると、JAXAとJR西日本は人工衛星の故障と異常兆候を検知するAIの開発を2022年10月から共同で推進。人工衛星運用の品質向上・業務効率化につながる複数のAIモデルを構築した。

この共同活動に国内外さまざまなメーカーの人工衛星を累計30機以上運用しているスカパーJSATが加わることで、商用衛星運用における課題の明確化やAIモデルの高度化が可能に。衛星運用の品質向上と業務効率化、安定運用を目指す。将来的には軌道上衛星の有効な利活用事業やリスクヘッジ事業の構想、その事業性の検討をしていくという。

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