「幻の鉄路」国鉄呼子線のトンネルがバイパス道のトンネルに 拡張工事に着手

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国道204号唐房バイパスの唐房トンネル(佐賀県唐津市)南側坑口前で8月29日、同トンネル工事の安全祈願式が行われた。40年ほど前に工事が凍結された、国鉄呼子線のトンネルを活用する形で整備する。

呼子線の唐房トンネル(南側坑口)。拡張して国道204号唐房バイパスのトンネルになる。【撮影:草町義和】

唐房バイパスは、唐津市内の唐房地区と鳩川地区を結ぶ1.9kmのバイパス道。住宅が密集していて道路幅が狭いエリアを避けるルートで、唐津中心部から東松浦半島北部の呼子方面へのアクセス改善を図る。1997年、呼子線の旧予定地を活用して同バイパス道を整備する構想が浮上した。

2005年から事業に着手しており、このほど唐房トンネルの工事も着工。単線(1車線)分の幅しかない現在のトンネルを拡張して2車線にする。一部の道路用地の買収が完了していないため、バイパス道の使用開始時期は決まっていない。

呼子線のルート(赤)。唐房トンネルとその前後約1.9kmがバイパス道(緑)になる。【画像:国土地理院地図/加工:草町義和】

呼子線は、筑肥線の虹ノ松原駅から唐津線の唐津駅と西唐津駅を経て東松浦半島を海沿いに進み、筑肥線の伊万里駅に至る計画だった国鉄新線。このうち虹ノ松原~呼子間が日本鉄道建設公団(鉄道公団、現在の鉄道建設・運輸施設整備支援機構=鉄道・運輸機構)の手により着工し、虹ノ松原~唐津間のみ1983年に開業した。

一方、西唐津~呼子間の工事は1970年代後半の時点で路盤工事がほぼ完了したが、国鉄の経営悪化を受け凍結。完成した路盤はガイドウェイバスシステムの導入や観光鉄道の整備で活用することも検討されたが、採算性の確保が困難で断念された。現在、呼子寄りの一部の路盤が農道として活用されているほか、鳩川トンネルがハムやソーセージの熟成庫として使われている。

唐房地区に残る呼子線の路盤。奥に唐房トンネル(北側坑口)が見える。【撮影:草町義和】
ハムやソーセージの熟成庫として使われている鳩川トンネル。【撮影:草町義和】
呼子寄りの路盤は一部が農道として活用されている。【撮影:草町義和】
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