郵船ロジスティクスとJR貨物の2社は12月22日、輸入航空貨物の国内配送に鉄道を使うスキームを構築したと発表した。10月からサービスを開始している。
このスキームは羽田空港に到着した輸入航空貨物を鉄道コンテナに積み替えて国内配送するもの。羽田空港はJR貨物の東京貨物ターミナル駅から車で20分ほどに位置し、成田空港に比べ貨物列車を利用しやすい。2社は鉄道を使うメリットとして、2024年問題などによるトラックドライバー不足への対応や二酸化炭素(CO2)排出量の削減などを挙げる。
2社によると、リードタイムが短い国際航空貨物の国内輸送は従来、鉄道を利用するという選択肢が少なく、羽田空港に到着した輸入航空貨物はトラックに積み替えて輸送していた。 鉄道輸送はトラック輸送に比べ料金や輸送時間、鉄道コンテナへの積み込み時間や作業人員確保などが課題と考えられ、航空貨物におけるモーダルシフトの実現は難しいものがあった。
2社は東京国際エアカーゴターミナルの協力のもとトライアルを重ね、羽田空港到着の輸入航空貨物を鉄道コンテナに積み替えて国内配送するスキームを構築。輸送距離や貨物量などの条件によってはトラックでの輸送と同等の時間、料金での手配を実現したという。
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