JR東日本は11月12日、東京と伊豆方面を結ぶ東海道線の特急列車について、「踊り子」の車両をE257系特急型電車のリニューアル車に統一すると発表した。あわせて通勤特急「湘南」を新設する。来年2021年春のダイヤ改正で実施され、国鉄時代から運用されてきた特急車両の185系電車が「踊り子」から引退する。
東京~伊豆方面の特急は現在「サフィール踊り子」「踊り子」の2系統。「サフィール踊り子」は全席グリーン車指定席で食堂車も連結しており、新型特急車両のE261系電車で運転されている。
これに対して「踊り子」は普通車指定席と普通車自由席、グリーン車指定席で構成されており、車両は国鉄時代に製造された特急型車両の185系電車と、2000年代に導入された特急型車両のE257系電車で運転されている。
「踊り子」のE257系は、もともとは中央本線で運用されていた0番台だったが、新型車両の導入などで余剰となったことからリニューアル改造して「踊り子」に転用することが計画され、今年2020年3月のダイヤ改正からリニューアル車の2000番台が「踊り子」の運用に入った。今後、房総各線で運用されていたE257系500番台も2500番台に改造し、「踊り子」の運用に入る。
JR東日本は来年2021年春に実施するダイヤ改正にあわせ、「踊り子」の車両をE257系リニューアル車に統一するとしている。これにより、国鉄時代の1981年10月から40年にわたり「踊り子」で運用されてきた185系は、同列車の運用から離脱。少なくとも定期列車での運用はなくなることが確定的になった。
このほか、2021年春のダイヤ改正では通勤客向けの特急「湘南」を新宿・東京~小田原間に新設し、この列車もE257系リニューアル車で運転される。現在運転されている通勤ライナーの「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」は「湘南」に置き換わる形で運転を取りやめる。
また、「踊り子」車両統一と「湘南」運転開始にあわせ、新しい着席サービスが普通車に導入される。常磐線の特急などに導入されている着席サービスと同じ方式。普通車の全席を指定席とする一方、座席の指定を受けなくても座席未指定券を購入すれば空席を利用できるようにする。チケットレスでの利用も可能になり、スマートフォンから座席指定できる「えきねっとチケットレスサービス」を開始する。