東武鉄道は8月5日、東武鬼怒川線の下今市~鬼怒川温泉間(栃木県)で運転しているSL列車「SL大樹」について、来年2021年夏から平日も含めて毎日運転すると発表した。これに先立つ今年2020年10月からは、東武日光線の終点・東武日光駅(栃木県)への乗り入れ運転を行う。
「SL大樹」をけん引する蒸気機関車は現在、JR北海道から借り入れたC11形蒸気機関車の207号機1両だけだが、今年2020年12月には真岡鉄道(茨城県・栃木県)から譲り受けたC11形325号機が営業運転を開始する予定。これに伴い「SL大樹」を1日4往復体制にする。
蒸気機関車の増備でSL列車を安定的に運転できるようになることから、来年2021年夏からは、下今市~鬼怒川温泉間でSL列車の毎日運転を開始。日本鉄道保存協会から譲り受けたC11タイプの蒸気機関車の復元も2021年冬には完成する予定で、さらなる安定輸送の向上が図られる見込みだ。
東武日光駅を発着するSL列車は、列車名を「SL大樹『ふたら』」とし、下今市~東武日光間の7.1kmを17~23分程度で走る。編成構成は東武日光寄りから蒸気機関車+車掌車+客車3両+ディーゼル機関車。まず今年2020年10月3日、東武トップツアーが主催するツアーの団体列車として運転され、その後は月1回程度、東武日光駅に乗り入れる。
「ふたら」は東武日光駅から北西へ約2kmの場所にある日光二荒山(ふたらさん)神社にちなむ。昨年2019年、東武鉄道は「ふたら」の商標出願を行っていた。
東武鉄道は今後、同社が運行するすべてのSL列車の列車名を「SL大樹」とすることも決めた。下今市~鬼怒川温泉間のSL列車の列車名は従来通り「SL大樹」だが、それ以外の線区で運転する場合は「SL大樹『ふたら』」のように、「SL大樹」と別の名称を組み合わせる。
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