立山黒部アルペンルートの運賃変更が認可 今季の営業開始にあわせ値上げ



立山黒部アルペンルートの乗り物を運行する立山黒部貫光は3月1日、鋼索鉄道(ケーブルカー)の上限運賃変更認可を受けた。

立山黒部アルペンルートの立山ケーブルカー。【撮影:草町義和】

立山駅~美女平間の立山ケーブルカーは改定率が49.315%で、普通旅客運賃は現行(730円)より360円高い1090円。黒部平~黒部湖間の黒部ケーブルカーは普通旅客運賃が現行(870円)より280円高い1150円で、改定率は32.184%になる。

立山黒部貫光は今後、上限運賃の範囲内で実際に適用する運賃(実施運賃)を届け出る。実施運賃ベースでは立山ケーブルカーが230円値上げの960円、黒部ケーブルカーが180円値上げの1050円になる。

立山黒部貫光はこのほか、美女平~室堂間(現行1740円)を結ぶ立山高原バスも実施運賃の変更を届け出るとしており、480円値上げして2200円になる。

立山黒部貫光によると、開業から50年以上が経過し、施設の老朽化に伴う維持管理及び修繕費など、事業を維持するための設備投資が継続的に必要となり、ケーブルカーとバスの赤字計上が慢性化していた。今後も経費の増大が避けられず、厳しい経営環境が続くことから、昨年2020年12月23日に運賃の値上げを申請したという。

立山黒部アルペンルートの黒部ケーブルカー。【撮影:草町義和】

立山黒部アルペンルートは、富山地方鉄道(富山地鉄)立山線の終点・立山駅(富山県立山町)から飛騨山脈・立山連峰を貫き扇沢駅(長野県大町市)までを結ぶ観光ルート。1954年から1971年にかけ完成した。

富山県寄りの乗り物は立山黒部貫光が運営。立山駅から立山ケーブルカー、立山高原バス、立山トンネルトロリーバス、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカーで黒部湖駅(黒部ダム)まで結ばれている。長野県寄りの黒部ダム~扇沢間は関西電力が電気バスを運行している。

立山黒部アルペンルートは通常、毎年4月中旬に開通し11月中旬に閉鎖される。今年2021年は4月15日から全線で営業を開始する計画で、この日から運賃が値上げされる予定だ。