えちごトキめき鉄道のテーマパークで「オヤ31」新展示 動態唯一の「おいらん車」



えちごトキめき鉄道(トキ鉄)の鉄道テーマパーク「直江津D51レールパーク」(新潟県上越市)が3月18日から今年2023年の営業を開始する。今回から「おいらん車」ことオヤ31形客車を新たに展示する。

国鉄・JR線で運用されていた頃のオヤ31 31。【画像:写真AC】

レールパークで展示されるのはJR西日本から譲り受けたオヤ31 31。レールパーク内で通年展示するが、車内の公開は一般公開日のみになる。直近の一般公開日は4月1・2日の予定だ。

オヤ31形は1949年から1961年にかけ7両が導入された事業用客車。線路周辺の施設が車両に接触しない範囲(建築限界)に設置されているか調べる建築限界測定用試験車で、車両の側面に設置されている矢羽根が周辺施設に触れるかどうかで測定する。矢羽根を広げた姿が花魁(おいらん)のかんざしを挿している姿に似ていることから「おいらん車」と呼ばれていた。

1987年の国鉄分割民営化時に7両のうち5両がJR四国を除くJR旅客会社に引き継がれた。2005年から2018年にかけて4両が廃車になり、JR西日本のオヤ31 31のみ残存していたが、昨年2022年12月にJR西日本はオヤ31 31をトキ鉄に譲渡すると発表。今年2023年3月にD51レールパークに搬入された。

ほかに1995年に廃車されたオヤ31 12がJR東海系のリニア・鉄道館で静態保存されている。トキ鉄は「動態保存されているのは、レールパークの『オヤ31 31』だけとなります」としており、将来的にはレールパーク内での走行や営業線でのイベント運行も検討されているとみられる。

直江津D51レールパークは直江津駅に隣接する車両基地を活用して2021年4月にオープンした鉄道テーマパーク。蒸気機関車のD51形827号機が圧縮空気駆動方式で動態保存されているほか、トキ鉄の「観光急行」などで運用されている413・455系電車も展示される。

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