西武新宿線・井荻~西武柳沢「高架化」アセス案の見解書を提出 工事は15年程度



東京都の都市整備局と建設局は2月26日、西武鉄道新宿線・井荻~西武柳沢間で計画している連続立体交差事業(連立事業)について、環境影響評価書案に関する見解書を都知事(環境局)に提出したと発表した。

西武新宿線・井荻~西武柳沢間の平面図。【画像:東京都】

都民(7件)と関係区市長(3件)から提出された意見書への見解をまとめたもの。工事期間中に列車が走る仮線の騒音・振動の予測値が現在の値を上回ることが見込まれていることについて、見解書は継ぎ目を減らして騒音を軽減できるロングレールを可能な限り採用するほか、仮線の敷設場所の路盤改良を行うなどして振動の軽減に努めるとしている。

この連立事業は、西武新宿線の井荻~西武柳沢間の5.6kmのうち約5.1kmを事業区間とし、線路の高架化を図るもの。高架橋区間は約4.7kmで、高架橋区間の井荻寄り約0.2kmと西武柳沢寄り約0.2kmは地上と高架のアプローチ部(擁壁・地平区間)になる。上井草・上石神井・武蔵関・東伏見の4駅が高架駅になるほか、上井草~上石神井間にある車両基地も高架化。すべて完成すると19カ所の踏切が解消される。

東京都は今後、環境影響評価書の作成・提出と都市計画の手続きを進める方針。2021年度の都市計画決定と2022~2023年度頃の事業認可取得を目指し、その後工事に着手することになる。工事予定期間は約15年とされており、順調に進めば2038~2039年度頃の事業完了が見込まれる。