北海道新幹線・新八雲駅「二つの海」「牧場の中」デザインコンセプトが決定



北海道八雲町は2月22日までに、北海道新幹線・新八雲駅(仮称)の駅舎のデザインコンセプトを鉄道・運輸機構に提案した。

新八雲駅(中央上)とその周辺のイメージ。【画像:八雲町】

デザインコンセプトは「牧場の中にある駅 ~二つの海をもつ八雲の大地にたつ、牧歌的風景に調和したシンプルな駅~」。現在の八雲町は2005年、太平洋側の八雲町(旧)と日本海側の熊石町の合併で発足しており、日本の町では唯一、太平洋と日本海の二つの海に面している。

このほか、「道南木材をふんだんに使用した温もりを感じ、木漏れ日が溢れる駅」「伝統的な牛舎を彷彿させ、北海道の大地を感じる駅」「駅舎内から広い視野で見渡せるガラス張りの駅」「シンプルで周囲の牧歌的風景に溶け込む駅」との付帯意見が付けられている。

新八雲駅は2031年春開業を目指して工事中の北海道新幹線・新函館北斗~札幌間の駅のうち、新函館北斗~長万部間に設けられる。予定地は並行在来線(函館本線)の八雲駅から西へ3km以上離れており、ほかの鉄道路線との連絡はない。周辺は牧場が広がっている。北海道の試算によると、1日の利用者数は500人が見込まれている。

八雲町は2000年に策定した地域振興計画を皮切りに、新八雲駅の開業に向けた検討を進めてきた。2019年3月に同町は駅周辺整備の基本計画を策定。「周辺の牧歌的風景」を売りにできる駅にするとし、周辺整備を最小限に抑える方向性を示していた。

鉄道・運輸機構は今後、このデザインコンセプトに基づきデザイン素案の検討を進め、八雲町に提案する方針だ。

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