北海道新幹線のトンネル掘削「半分」完了 札幌の地下を掘るシールドマシンも発進



2030年度末の開業を目指し工事中の北海道新幹線・新函館北斗~札幌間で、トンネルの掘削がほぼ半分完了した。

札幌工区に導入された泥土圧シールドマシン。【画像:鉄道・運輸機構】

札幌市など北海道新幹線沿線の自治体が2月10日までに公表した工事の進ちょく状況によると、計画されているトンネルの実延長が16万9168mなのに対し、2月1日時点の掘削延長は8万3870m。掘削率は約50%に達した。トンネルの工区別では40工区中7工区で掘削が完了している。

新小樽~札幌間のトンネルのうち、札幌市街地の地下も通る札樽トンネル(全長約26.2km)の工事も本格化してきた。同トンネルの工事期間は2026年8月までの予定。6工区に分かれており、このうち小樽寄り山岳地帯の石倉工区が昨年2020年10月から掘削工事に着手し、富丘工区は斜坑の掘削が進められている。

札幌市街地地下の札幌工区(8412m)はシールド工法を採用。1月28日、手稲区西宮の沢地内の発進立坑から新小樽方向に向けシールドマシンが発進し、掘削工事が始まった。このシールドマシンは直径12.09mの泥土圧シールド掘進機。富丘工区との境界まで約1400m掘進する。

札樽トンネル(赤点線)の札幌工区。1月に発進したシールドマシンは西宮の沢の発進立坑から新小樽寄りを掘削する。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

鉄道・運輸機構はシールドマシンの稼働について「地上部利用の多い都市部での施工であるため、慎重に掘削を進めるとともに、発進立坑ヤードにおいて防音ハウスを設置するなど、周辺環境に配慮しながら安全に工事を進めてまいります」としている。

《関連記事》
北海道新幹線の羊蹄トンネル「巨大な岩」小さなトンネルで取り付いて粉砕 3月から
【データで見る鉄道車両】JR北海道「キヤ291形」ラッセル気動車