JR東日本の横浜支社は7月24日、鶴見線に新型車両「E131系」を導入すると発表した。今年2023年冬から営業運転を始める予定。現在運用されている205系電車に比べ快適性や安全性・安定性の向上を図る。
外観は海をイメージしたスカイブルーを取り入れる。前面のドットは、かつて鶴見線で運用されていた歴代の車両の色を採用。茶色は1959~1996年に運用されていた車両、黄色は1979年から現在まで運行されている車両の色を採用する。
車内は外観との統一を図ったデザインとし、シートに青色を用いることで「海沿いを走る爽やかな雰囲気」を表現。座席はロングシートで、座席幅を拡大するとともにクッション性を向上させ、車内の快適性の向上を図るという。車椅子・ベビーカー利用客向けのフリースペースも各車両に設ける。
また、運行情報や乗換案内を表示する17インチの大型ディスプレイを一部のドア上に設置するほか、車内防犯カメラも設置。非常通報装置は現在の1両1カ所から1両4カ所に増強する。
車体側面にはカメラを設置。乗務員が運転台から客の乗降を確認する機能など、ワンマン運転に対応した機器を搭載する。また、モニタリング技術を活用した車両搭載機器・線路設備の状態監視機能で故障の予兆を把握し、事前に対処することで安全性・安定性の向上を図るという。主回路機器には炭化ケイ素(SiC)半導体素子を採用して消費電力を抑える。
E131系は2021年3月にデビューした、関東近郊の普通列車用の直流電車。これまでに房総・鹿島エリア(0番台)と相模線(500番台)、宇都宮線・日光線(600番台)に導入されている。
車体構造はほぼ共通でドアは1両につき片側4カ所に設置しているが、各線・エリアごとに車体の帯色が変えられており、1編成の車両数も0番台が2両、500番台が4両、600番台が3両と異なる。0番台はクロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートだが、500番台と600番台は全席ロングシートを採用している。
鶴見線用のE131系は従来のE131系とは大きく異なる点もあり、車体幅は従来のE131系が2950mmの拡幅車体なのに対し、鶴見線用のE131系は同線の施設の構造にあわせ2778mmに狭められる。最高速度は従来のE131系が110km/hなのに対し、鶴見線用のE131系は100km/hに抑えられる。
導入数は24両(3両編成8本)。この冬から順次、営業運転を始める予定だ。
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