名鉄「運賃値上げ」2024年3月16日に 国交相認可、特定運賃の見直しなども実施



国土交通大臣は9月1日、名鉄が申請していた旅客運賃上限変更を認可した。これを受けて名鉄は来年2024年3月16日に運賃を値上げする。全体の改定率は10%。

名鉄線の列車。【画像:たもぞう/写真AC】

普通旅客運賃の改定率は10.5%だが、利用者が多い7kmまでの区間は値上げ幅を抑える。初乗り(3kmまで)は10円値上げの180円。知多新線・豊田線・羽島線・空港線の加算運賃は据え置く。定期旅客運賃の改定率は9.3%。このうち通勤定期の改定率は11.6%で、通学定期は家計負担に配慮して据え置く。

普通旅客運賃の現行額と改定額。【画像:名鉄】

また、名古屋本線の一部区間に設定している暫定運賃について、名鉄は対象区間や設定額を区間ごとに見直すとして中部運輸局長に特定運賃の設定を届け出た。名鉄名古屋~名鉄一宮の普通旅客運賃の場合、現行380円で改定後の上限額は80円値上げの460円だが、400円の特定運賃を設定して値上げ幅を20円に抑える。

過去の駅移設に伴い設定していた特定運賃(上飯田・西ノ口・柳津の各駅を発着する一部区間)は今回の改定に併せて廃止し、通学定期も含め本来の距離に応じた運賃を適用する。

名鉄は特定車両料金(ミューチケット)の改定も届け出た。現在は360円だが、改定後は基本料金・閑散時間帯割引料金・車内精算料金の3種類に。基本料金は90円値上げの450円、車内精算料金は140円値上げの500円で、閑散時間帯割引料金は60円値下げの300円になる。

このほか、運賃の改定にあわせて精神障害者割引を導入する。本人単独の場合、乗車券は100kmを超える区間に限り、障害者手帳の級数にかかわらず5割引。介護者がいる場合、障害者手帳が1級なら距離にかかわらず本人・介護者ともに乗車券・回数券・定期券が5割引になる。ただし子供用の定期券は割引がない。介護客は通学定期券を利用できる資格を持っていても通勤定期券になる。

特別車両を連結した名鉄線の列車。【画像:たもぞう/写真AC】

名鉄はコロナ禍によるテレワークの定着や自動車などほかの輸送モードへの転換による通勤客の減少、電力料金や資材価格の高騰による経費増加で厳しい経営状況が続くとし、5月に運賃改定を申請していた。

名鉄によると、同社の鉄軌道部門の収支率は2021年度が86.4%。700億1400万円の収入に対し支出は810億6700万円で110億5300万円の損失だった。2024年度~2026年度の3年間平均の推定では、現行運賃のままだと収支率が91.2%で83億3900万円の損失。運賃を改定すると収支率は98.6%に上昇し、損失額は13億5800万円に抑えられるという。

《関連記事》
名鉄ミューチケット「値上げ」と「値下げ」へ 運賃改定申請、初乗りは10円値上げ
名鉄河和線の加木屋中ノ池駅「2024年3月16日」開業 一部施設はあとから使用開始