蒲蒲線の整備にあわせ東急多摩川線「一部駅でプラットホーム整備」構想認定



東急多摩川線を延伸する形で京急本線・空港線の京急蒲田駅に乗り入れる新線「新空港線(蒲蒲線)」について、営業主体の東急電鉄と整備主体の羽田エアポートラインは4月4日、国土交通省から営業構想・整備構想の認定を受けたと発表した。

東急多摩川線の列車。【画像:からのち/写真AC】

認定上の構想実施区域は蒲蒲線の第1期区間で、東急多摩川線・矢口渡~蒲田の中間から京急蒲田駅付近まで約1.7km。このうち矢口渡~蒲田の中間から蒲田駅までは実質的には東急多摩川線の地下化(連絡施設)で、蒲田~京急蒲田駅付近の約0.8kmが新線(連絡線)の扱いになる。

運行区間は既設の東横線や東急多摩川線を含む渋谷方面~多摩川~蒲田~京急蒲田駅付近。東急多摩川線と蒲蒲線の列車が直通するほか、一部の列車は多摩川駅から東横線に乗り入れる。東急電鉄によると、東横線から乗り入れる列車が停車できるよう、東急多摩川線の多摩川駅と下丸子駅でプラットホームの整備などをあわせて行うことを想定しているという。

蒲蒲線の整備にあわせて「プラットホームの整備」が想定されている東急多摩川線の下丸子駅。【画像:ニックジャガー/写真AC】

運行本数は朝ラッシュ時間帯で1時間あたり20本程度。それ以外の時間帯は1時間あたり10本程度を運行する。所要時間は中目黒~京急蒲田駅付近で現在の約36分から13分短い約23分、自由が丘~京急蒲田駅付近で現在の約37分から22分短縮の15分になるという。

営業構想・整備構想の認定を受け、東急電鉄と羽田エアポートラインは速達性向上計画の認定を申請する予定。この計画が認定されると、東急電鉄は蒲田~京急蒲田駅付近で第2種鉄道事業許可、羽田エアポートラインは第3種鉄道事業許可を受けたとみなされる。

蒲蒲線の位置(赤)。矢口渡~蒲田の中間から蒲田駅は実質的には東急多摩川線の地下化で、蒲田~京急蒲田駅付近が新線になる。【画像:羽田エアポートライン】

東急電鉄は蒲蒲線について「JR京浜東北線、東急多摩川線および池上線蒲田駅と京急蒲田駅間のミッシングリンクを解消し、国際競争力強化の拠点である渋谷・新宿・池袋などや東京都北西部・埼玉県南西部と羽田空港とのアクセス利便性の向上に寄与するとともに、蒲田・京急蒲田地区をはじめとした地域のさらなる発展などに資するもの」とアピールしている。羽田エアポートラインによると、整備期間は2025年度下期から2041年度末の予定という。

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