北海道新幹線「初の260km/h」実施へ 青函トンネル内、通常より5分の短縮



国土交通省とJR北海道は1月19日、北海道新幹線の青函トンネル内での高速走行を4~5月のゴールデンウィークに実施すると発表した。青函トンネル内の最高速度は通常160km/hで、年末年始やお盆などに限り210km/hに引き上げているが、今回初めて260km/hまで引き上げる。

青函トンネルを走る北海道新幹線の列車。【画像:スペンサー/写真AC】

高速走行は4月29日と5月4~7日に実施。始発から「はさぶさ34号」(奥津軽いまべつ15時34分着)まで、すべての新幹線の列車で速度を引き上げる。各日の定期列車は上下各7本を260km/hで運行し、5月4・5日に運行する下り臨時列車「はやぶさ3号」も260km/hで運行する。通常より5分の短縮が図られ、東京~新函館北斗の所要時間は最短で3時間52分になる。

これに伴い、木古内駅に停車する「はやて93号」「はやぶさ1号」「はやぶさ19号」は発車時刻を繰り上げる。一方、新青森発の「はやて91号」は繰り上げによる乗り遅れの影響を軽減するため、新青森駅から5分繰り下げて運行し、木古内駅の発着時刻は変更しない。

このほか、函館駅までの所要時間を短縮するため、新函館北斗駅で北海道新幹線に連絡する函館本線の列車「はこだてライナー」の一部を時刻変更。新函館北斗→函館の2本は3~11分繰り上げ、函館→新函館北斗の4本は4~12分繰り下げる。ほかにも一部の普通列車で時刻を変更する。

青函トンネルとその前後の線路の約82kmは北海道新幹線の旅客列車に加え、在来線の貨物列車やクルーズトレイン「四季島」などの臨時旅客列車も走る共同使用区間になっている。このため北海道新幹線の最高速度は原則的には260km/hなのに対し、共同使用区間は140km/h(青函トンネル内は160km/h)に制限。所要時間短縮のボトルネックと化している。

新幹線の旅客列車と在来線の貨物列車などが走る共同使用区間(北海道側の木古内付近)。【撮影:草町義和】

2019年には200km/h台での走行試験を実施。当面は貨物輸送の需要が少なく貨物列車を減らせる時期に限り青函トンネル内の速度を実証実験的に引き上げることになり、2020年12月以降は年末年始とゴールデンウィーク、お盆に最高速度を210km/hに引き上げていた。

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