東京メトロは11月16日から、明治神宮前駅と表参道駅のエレベーターに「エレベーター優先レーン」を試験的に設置した。エレベーターは障害者や高齢者などが優先的に使える設備であることを示し、周囲の人への協力を促す。設置から1週間以上が過ぎた11月25日の昼、両駅で優先レーンの利用状況を見てきた。
明治神宮前駅は副都心線の改札外コースと地上を結ぶエレベーターに優先レーンが設けられた。改札口から左へ進んで少しすると、右にエレベーターのドアが現れる。エレベーター前の床に優先レーンが日本語・英語・中国語・韓国語の多言語対応で描かれており、優先利用できる人として「車椅子利用者」や「高齢者」「障害者(けが人)」「妊婦」「乳幼児連れ」「内部障害者」「ベビーカー利用者」がピクトサインで示されていた。
エレベーターから少し離れた場所には案内員が配置されており、障害者や高齢者を優先するよう呼びかけている。エレベーター前にいた人も全員がそれに従い、優先レーンの脇に並んでいた。
カゴへの搭乗が始まってしばらくすると、赤ちゃんをベビーカーに乗せた男女二人連れが姿を現し、優先レーンに並んだ。このときはカゴ内が満員に近いのを見たためか搭乗を見送っていたが、次にカゴがやってきたときはベビーカー利用者が最初に乗り込んだ。地上側は優先レーンが設けられていなかった。
表参道駅は、銀座線・半蔵門線のホーム(3・4番線と5・6番線)とその下にある改札内コンコースを結ぶエレベーター2カ所が試験対象。ホーム側に優先レーンがあり、さらにその脇には一般レーンも設けられていた。こちらはエレベーター前に並ぶ人が少なく案内員もいない。ベビーカー利用者は現れたものの、優先レーンが使われる場面は見られなかった。
東京メトロは「車いすをご利用のお客様やご高齢のお客様、ベビーカーご利用のお客様等がエレベーター優先レーンに並ばれている場合はお譲りいただきますよう皆様のご協力をお願いいたします」と呼びかけている。
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