JR東海「駅の無人化」東海道本線の静岡地区でも 遠隔サポートシステムを導入



JR東海は6月25日、遠隔サポートシステム「お客様サポートサービス」を新たに静岡地区の東海道本線・沼津~興津に導入すると発表した。このシステムの導入により駅の無人化の拡大を図る。

お客様サポートサービスが導入される東田子の浦駅。【画像:よろず屋/写真AC】

お客様サポートサービスが導入されるのは、片浜・原・東田子の浦・吉原・富士川・新蒲原・蒲原・由比の8駅。来年2025年6月ごろから導入する。工事費は約6億円。

近距離切符の自動券売機に隣接してモニター付きインターホンや券面確認台を新設して案内センターとつなぐほか、セキュリティーカメラやスピーカーなどを新設する。改札内インターホンには「ご案内タッチパネル」を新設し、タッチパネル上で精算などの案内を行う。

案内センターのオペレーターがセキュリティーカメラで駅の状況を把握するとともに、客からの質問への応対や声がけ、案内放送などを行う。現地での案内などが必要な場合は現地に出向いて対応。そのための係員を原駅と富士川駅に配置する。

お客様サポートサービスが今回導入される駅では現在、早朝や夜間など駅員の不在時に切符の購入やICカードのチャージ、乗り越し精算などができない。JR東海は「(お客様サポートサービスの)導入後は、列車を運行する全ての時間帯で、これらのサービスを利用できるようになります」とし、時間帯限定で駅員が配置される駅より利便性が向上すると強調している。

このほか、片浜・原・吉原の3駅では指定席券の購入ニーズが高いとして「サポートつき指定席券売機」も設置する。新幹線・在来線の指定席特急券などのほか、学生割引乗車券など証明書が必要な割引切符も購入可能。インターホンを通じてオペレーターが対応するこで購入できるようにする。

お客様サポートサービスが新たに導入される東海道本線(静岡地区)の区間と駅。【画像:JR東海】

JR東海はお客様サポートサービスの導入による駅の無人化を順次進めている。これまでに東海道本線の豊橋~大府と名古屋~米原、飯田線の牛久保駅、武豊線、中央本線の鶴舞(名大病院口)・大曽根(南口)・勝川各駅、関西本線の名古屋~桑名にお客様サポートシステムが導入されている。

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