岡山路面電車の延伸・環状化「検討再開」へ 2024年度当初予算で要求



岡山市は1月16日、来年度2024年度当初予算の各部局からの要求額を公表した。一般会計の要求額は合計3955億5600万円で、前年度2023年度当初予算に比べ9.2%の増加。「路面電車のネットワーク化」の検討費を新規計上したほか、岡山駅前広場への乗り入れ事業費を引き続き計上した。

岡山電軌の路面電車。【撮影:草町義和】

「路面電車のネットワーク化」の要求額は2500万円。岡山市が2020年2月に策定した「岡山市路面電車ネットワーク計画」に基づき、延伸・環状化の事業計画の作成に向けた検討を進める。

岡山市は岡山芸術創造劇場「ハレノワ」のアクセス向上などを目的に、岡山電軌の清輝橋線・大雲寺前停留場と東山線・西大寺町停留場のあいだに軌道を新設して環状化することを構想している。コロナ禍の影響を受け検討を一時凍結していたが再開する。

大雲寺前~西大寺町の環状化ルート(赤)と岡山駅前乗り入れ(黒点線)。【画像:国土地理院地形図、加工:鉄道プレスネット】

このほか、「岡山駅前広場への路面電車乗り入れ整備事業」を引き続き計上。2023年度当初予算額(17億790万円)の約1.9倍となる32億8938万8000円を要求した。駅前広場の整備や交差点の改良による地下街の補償、整備工事、軌道工事などを行う。

岡山駅前広場への乗り入れは当初、2022年度末の完成、2023年度の開業が予定されていた。しかし地下街の補強工事に想定より時間がかかることが判明し、2022年2月には完成予定時期を2025年度に変更。さらに昨年2023年8月には、地下街の工事に伴う店舗の移転にも時間がかかることが分かり、完成は2026年度末の見通しになった。全体事業費も地下街の移転補償や資材高騰などの影響を受け、当初の予定より倍以上の88億5000万円になる見込みだ。

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