豊肥本線・三里木~原水「新駅」どこまで進んだ? 構想20年、状況変化で動き出すか



JR九州の豊肥本線が東西に横断している熊本県菊陽町。町内には三里木駅と原水駅があり、熊本市境にも光の森駅がある。1960~1970年代の人口は1万人台だったが、その後は熊本市の郊外住宅地として人口が増加し続けており、今年2021年(推計)は約4万4000人だ。

三里木駅に入線する豊肥本線の列車。【撮影:草町義和】

近年は同町内の三里木駅と熊本空港を結ぶ新線(熊本空港アクセス鉄道)の構想が熊本県で検討されているが、三里木~原水間にも新駅の構想がある。

新駅の建設が考えられているのは、三里木駅から原水寄り約1.3kmの地点。南側は商業地として発展しており、北側には菊陽町図書館や菊陽杉並木公園がある。この公園の拡張整備事業の一環で総合体育館の建設が計画されており、2023年に完成の予定だ。

三里木~原水間の新駅想定地の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット編集部】

新駅の構想が浮上したのは、いまから20年以上前。菊陽町や同町の商工会などで構成される期成会が1999年に発足した。これ以降、菊陽町はJR九州に新駅設置を要望している。2016年に策定された第5期総合計画の後期基本計画に新駅の設置が盛り込まれたが具体化には至らず、今年2021年3月に策定された第6期総合計画の前期基本計画に引き継がれた。

後藤三雄町長は6月の町議会で「新駅設置は毎年JRに要望しているが、以前は乗降客数がどれだけ確保できるかというのが非常に課題だった」と述べる一方、「(新駅予定地の)南側では土地区画整理事業が完了して新しい店ができ、北側も住宅が増えている」として、周辺開発の進展で状況が変わったことを強調。「実現に向けJRとの協議をしっかりやったうえで進めていきたい」と答弁した。

菊陽町は同町が事業費を負担する請願駅として新駅を整備。地方創生拠点整備交付金を活用する方針だ。

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