熊本市電と熊本電鉄線の結節機能の強化が具体的に検討される見通しになった。2月8日、合志市の荒木義行市長と熊本電鉄の中島敬高社長が熊本市役所を訪ね、熊本市の大西一史市長に上熊本駅の交通結節機能の強化を要望。大西市長は前向きな考えを示した。
上熊本駅はJR鹿児島本線と熊本市電、熊本電鉄線が乗り入れているが、市電の上熊本停留場と熊本電鉄線の上熊本駅は駅前広場のロータリーを挟んで80mほど離れており、乗り換えしにくい配置だ。3者は今後、協議会を設置して同じホーム上で乗り換えできる対面乗換方式の導入や、直通運転も視野に入れた検討を進めるとみられる。
市電と熊本電鉄線の直通化構想は過去にもあり、2004年には熊本電鉄線を路面電車タイプの軽量軌道交通(LRT)に改良し、市電と一体化させる鉄道事業活性化計画を熊本電鉄が発表。翌2005年には、熊本電鉄線・藤崎宮前~御代志の約9kmを電車通り(水道町~市役所付近)~藤崎宮前~御代志~大池の約12kmに拡大し、市電に接続する計画案を示した。
しかし、直通化には熊本電鉄線の軌間を市電と同じ1435mmに改軌する必要があり、総事業費も2005年時点の時点で約120億円と試算されて事業性に課題があったことなどから実現していない。
《関連記事》
・熊本市電の延伸、一部単線なら事業費の増額「ゼロ」一部区間の先行開業も想定
・熊本電鉄の運賃改定が認可、10月1日から「値上げ」初乗り160円→180円