福岡地下鉄・天神~天神南の乗り継ぎ「特例廃止」 七隈線延伸で運賃改定を申請



福岡市交通局は6月8日、地下鉄空港線・七隈線の特例制度「天神駅~天神南駅間の改札外乗継制度」を廃止すると発表した。七隈線の延伸開業(2023年3月予定)に伴うもの。同日、旅客運賃上限変更認可を国土交通省の九州運輸局長に申請した。

七隈線の列車。【撮影:草町義和】

福岡市営地下鉄の空港線と七隈線は直接の連絡駅がない。そのため、両線を乗り継ぐ場合の特例が設けられている。120分以内であれば、天神駅と天神南駅を結ぶ改札外の通路などを通って乗り継ぐことができ(実質歩行距離は約600m)、運賃も通算される。

七隈線が博多駅まで延伸されると空港線と七隈線が博多駅の改札内で直接連絡し、乗換に伴う実質歩行距離も約70mと大幅に短縮される。このため交通局は特例を廃止する。これにより空港線と七隈線をまたぐ利用距離は博多経由で算出され、乗車区間によって0.9kmの短縮から最大4.1kmの増加になる。交通局は乗車距離の増加で運賃が高くなるケースについては、経過措置として負担緩和策を実施するとしている。

七隈線延伸開業前後の乗継駅の比較。【画像:福岡市交通局】
博多駅では改札内で空港線と七隈線を直接乗り換えることができるようになる。【画像:福岡市交通局】

旅客運賃上限変更認可の申請も七隈線の延伸に対応するもので、認可された場合は七隈線の開業日に運賃改定を実施する。乗り継ぎ地点が天神・天神南駅から博多駅に変わることで距離の増減がある場合を除き、各距離ごとの運賃の値下げや値上げは行わない。

現行運賃は1~20kmを第1区~第6区の六つに分けて設定している。七隈線が延伸されると姪浜(空港線)~橋本(七隈線)間の距離が23.4kmになり、現行の第6区(19km超~20kmまで)を超える。そのため20km超の運賃額を新たに設定。普通旅客運賃は380円、定期旅客運賃(通勤1カ月)は1万4710円で、現行の第6区と同額とした。第1~第5区は現行運賃からの変更はない。

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