JR山田線の再開「めど立たず」2カ月で復旧のはずが新たなリスク、共同経営にも影響か



大雨の影響により一部区間が運休中のJR山田線(岩手県)で、全線再開のめどが立たない状態になった。JR東日本の盛岡支社は9月25日、運転再開時期を「未定」に変更すると発表した。

山田線の列車。【撮影:鉄道プレスネット(AT)】

山田線は8月27日の大雨で土砂流入など大きな被害が発生。9月15日に盛岡~上米内の運転を再開したが、上米内~宮古は引き続き運転を見合わせている。JR東日本は9月2日時点では復旧工事におおむね2カ月かかるとし、11月上旬には再開の見込みだった。

盛岡支社によると、上米内~宮古ではJR東日本の敷地外から土砂などの流入の恐れが判明し「列車の運行における新たなリスク」が生じている。現在は岩手県など関係者と対応を相談しており、運転再開時期を「未定」に変更するという。

土砂が流入した山田線の第2外山トンネル坑口(2024年8月28日)。【画像:JR東日本】
第2外山トンネル坑口の上部(上写真の右上)の状況(2024年9月17日)。【画像:JR東日本】

山田線では代行バスが運行されておらず、岩手県北自動車(岩手県北バス)が運行する路線バス「106バス」への振替輸送が実施されている。JR東日本は岩手県北バスと連携して独占禁止法特例法に基づく鉄道・バスの共同経営を来年度2025年度から5年間実施する考えだが、復旧工事の今後の進展状況によっては共同経営計画にも影響が出そうだ。

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