JR九州は9月29日、小倉総合車両センター(北九州市小倉北区)で新しい観光列車「36ぷらす3(さんじゅうろくぷらすさん)」の専用車両を報道陣に公開した。10月16日から運行を始める。
「36ぷらす3」の「36」は、世界で36番目に大きい島とされる九州を意味する数字。「3」は客・地域住民・JR九州の3者を意味している。JR九州は36+3=39で「サンキュー=感謝」の輪を広げたいという思いを込めたとしている。専用車両は787系特急型電車のBM-15編成を改造した6両編成で、全体の定員は約110人。車体は黒のメタリックをベースにしている。
車両番号は次の通り。編成番号はBM-363編成に変更され、各車両の番号も「363」で統一されている。
1号車:クモロ787-363
2号車:モロ786-363
3号車:サロシ786-363
4号車:サロ787-363
5号車:モロ787-363
6号車:クモロ786-363
車内設備は1・2号車がグリーン個室、3号車がグリーン個室とビュッフェの合造車、4号車が多目的に利用できる「マルチカー」、5・6号車はグリーン車になる。1号車と6号車の床は畳敷きだ。グリーン個室は2~6人用で、このうち2人用は車椅子対応席になる。
787系は導入時にビュッフェを設けていたが、2003年までに営業を終了して座席車に改造されたため、今回のビュッフェ設置は17年ぶりの復活になる。
「36ぷらす3」は、運行区間を1日ごとに区切って九州を1周。火・水曜日を除く1週間で九州全県を回る。
各曜日の運行区間は、木曜日が博多→鹿児島中央間、金曜日が鹿児島中央→宮崎間、土曜日が宮崎空港・宮崎→大分・別府間、日曜日が大分・別府→小倉・博多間、月曜日は博多→長崎間と長崎→博多間。切符や旅行商品も各区間ごとに分けて発売される。
当初は10月15日、博多→鹿児島中央間から運行を開始する予定だったが、途中通る肥薩おれんじ鉄道線が2020年7月豪雨の影響で一部不通のため、木曜日の運行は当面見合わせる。このため、一番列車は10月16日の鹿児島中央→宮崎間になる。