JR九州・JR貨物の2社は12月12日未明、鹿児島本線・川内駅(鹿児島県薩摩川内市)の構内で貨物列車の脱線事故が発生したと発表した。運輸安全委員会の調査対象となったJR貨物の脱線事故は、今年2024年に入ってから3回目。
2社によると事故は12月12日の3時03分ごろ、川内駅構内で発生。所定ダイヤでは熊本0時11分発→鹿児島貨物ターミナル3時45分着の機関車1両+貨車11両編成の貨物列車(列車番号:第8097列車)が川内駅を発車後、運転士は横揺れを感じたことから非常ブレーキをかけて列車を停止させた。その後、車両点検により機関車1両と1~2両目の貨車が脱線していたことを確認。運転士にけがはなかったという。
この影響で旅客列車も一部の区間で運転を見合わせている。JR九州によると、12月13日は鹿児島本線・川内~隈之城で終日運転を取りやめる予定。観光列車「36ぷらす3」も鹿児島中央~宮崎の全区間で運休する。川内駅で接続している肥薩おれんじ鉄道線も一時運転を見合わせたが、12月12日の午前中に運転を再開している。
熊本~八代~川内~隈之城~鹿児島を結ぶ鉄道路線はかつてJR鹿児島本線だったが、2004年の九州新幹線・新八代~鹿児島中央の開業に伴い、八代~川内のみ第三セクターの肥薩おれんじ鉄道に移管。貨物列車はJR貨物がJR九州と肥薩おれんじ鉄道から線路を借りる形で引き続き運行している。
JR貨物が運行する貨物列車の脱線事故は、2024年に入ってから山陽本線・新山口駅(7月24日)と函館本線・森~石倉(11月16日)で発生している。
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