上毛電鉄の新車両「800形」もと東京メトロ03系に 引退する700形はどうなる?



上毛電鉄の橋本隆社長は11月24日に前橋市役所で記者会見を行い、車両を更新すると発表した。新しい車両として東京メトロ日比谷線で運用されていた03系電車を改造して譲り受け、形式名を「800形」に変更。現在運用している700形電車16両(2両編成8本)のうち6両(2両編成3本)を置き換える。

東京メトロ日比谷線で運用されていたころの03系。【撮影:草町義和】

12月中旬に800形の2両編成1本が上毛電鉄の大胡車庫に納車される予定。各種試験などを行って安全性を確認し、来年2024年2月下旬から運行を開始する予定だ。これに先立つ2月中旬には800形の先行乗車イベントや700形のお別れイベントを行う予定で、詳細は今後、上毛電鉄のウェブサイトなどで案内する。

記者会見の場にいた前橋市の山本龍市長は、800形が現在どこにいるかや輸送方法を橋本社長に質問。橋本社長は「(800形はいま)東京メトロの工場にいる。鉄道を使って運ぶ」と回答し、800形を貨物列車扱い(甲種輸送)で搬入することを示唆した。

残る2本の導入時期について、橋本社長は「5カ年計画で3本ということになっているが、早いに越したことはない。私どもの希望としては2024年度、2025年度ということで、できればいいなと思っている」と述べた。800形の導入で引退する700形の3本については「廃車にするが、おもな床下機器は、引き続き運用する5本の予備品として有効活用する」と話した。

800形の導入で一部の編成が引退する700形。【撮影:草町義和】

700形は京王電鉄から井の頭線の3000系電車を2両編成に改造して譲り受けたもので、1999年から2000年にかけ16両(2両編成8本)が導入された。製造から半世紀以上が過ぎており、上毛電鉄に移ってから数えても四半世紀近く経過している。

橋本社長は「(700形は)老朽化ということもあり車両更新をいままで検討していたが、条件に合う受注可能な車両メーカーが見つからず苦慮してきた。今年度(2023年度)については他社の中古車両を譲渡してもらうことになったので、国や沿線自治体の支援のもと車両を更新する」と話した。

《続報記事》
上毛電鉄「800形」デザイン・仕様も発表 「パステル」継承、制御装置など新製(2023年11月25日)

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