東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線の車両のうち、東京メトロの03系電車が2月28日をもって、営業運転を終了した。
2018年11月に千代田線の6000系電車が引退した際、東京メトロは事前に10月から11月にかけて6000系の特別運転を行うと発表したが、03系は事前発表なしでの運転終了となり、イベントも行われなかった。
東京メトロ広報部は鉄道プレスネットの取材に対し「日比谷線の03系は2月28日をもって営業運転は終了しました」「千代田線6000系車両引退時、一部の鉄道ファンが車両やホームに殺到したことによる混乱により、運行に支障や、多くのお客様にご迷惑がかかる事態となったことに鑑み、(03系の)引退イベント等は見合わせることとしました」と話した。
03系は1988年にデビュー。それまで日比谷線で運用されてきた3000系電車の老朽化対策と列車の増発、冷房化を目的に開発され、1994年までに336両(8両編成42本)が製造された。2001年にも事故で廃車になった車両の代替車として1両が製造されている。
日比谷線のほか東武鉄道の伊勢崎線(東武スカイツリーライン)に乗り入れ、かつては東京急行電鉄(現在の東急電鉄)の東横線にも乗り入れていた。
03系は8両編成で1両の長さが約18m。ドアは1両につき片側3カ所(一部の車両は5カ所)に設けていた。日比谷線でホームドアの整備計画が持ち上がったのにあわせ、東武鉄道の乗り入れ車も含め7両編成(1両の長さ約20m、ドアは1両につき片側4カ所)の新型車両に統一することになり、2017年から新型車両の東京メトロ13000系電車と東武鉄道70000系電車が本格的に営業運転を開始した。
これに伴い03系は順次引退。今年2020年2月下旬に入ってからは、8両編成1本(第36編成)だけになっていた。引退した車両の一部は熊本電気鉄道(熊本電鉄)や北陸鉄道、長野電鉄が譲り受けており、このうち熊本電鉄の譲受車は昨年2019年4月から運転されている。
03系と同じ8両編成(1両約18m)で東武スカイツリーライン~日比谷線の直通列車用の東武鉄道20000系電車は現在も運用されているが、近日中に両線の直通列車から引退する見込み。今年2020年2月29日、20000系引退の記念切符が発売された。引退した20000系は東武鉄道の日光線・宇都宮線用として順次改造され、20400形として2018年から運転を開始している。
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