東京メトロ日比谷線の電車「03系」JR中央本線を走る 長野電鉄へ「再就職」



東京地下鉄(東京メトロ)の日比谷線で使われていた03系電車が長野電鉄に譲渡されることになり、2月1日の午後、JR武蔵野線の越谷貨物ターミナル駅(埼玉県越谷市)を出発した。翌2日には「再就職」先の長野に入る予定だ。

JR中央線快速の電車(右)と並んだ東京メトロ日比谷線の03系(左)。【撮影:鉄道プレスネット編集部】

03系は2月1日の14時40分頃、貨物列車扱い(甲種輸送)で越谷貨物ターミナル駅を出発した。03系1編成の車両数は8両だったが、長野電鉄への譲渡車は3両編成に組み直しており、これを2本連結した6両編成をJR貨物のEH200形電気機関車がけん引。武蔵野線から中央本線に移り、八王子駅(東京都八王子市)には16時頃までに到着した。

その後も中央本線と篠ノ井線を経由して長野市内に入り、日付変わって2月2日の1時頃には篠ノ井駅に到着する予定。ここで長時間停車して13時30分頃に同駅を出発し、14時少し前には北長野駅に到着する計画だ。

03系は1988年にデビューした帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現在の東京メトロ)日比谷線の電車。老朽化した旧型車両の更新を図る目的で製造された。また、営団地下鉄の車両としては、初めて新造時から冷房装置を搭載した。

車体の長さは1両につき約18mで8両編成を組み、ドアは片側3カ所(一部の車両は5カ所)に設けられている。近年は日比谷線のホームドア整備計画にあわせ、1両の長さを約20m、ドア数を片側4カ所にした新型車両13000系電車の導入が進められており、本年度2019年度末には同線の03系がすべて引退する計画になっている。

引退した03系の一部は地方私鉄に譲渡されている。長野電鉄の03系は名前を3000系に変えて、今年2020年のゴールデンウィークから営業運転を開始する予定だ。

03系の甲種輸送列車はEH200形がけん引。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
長野電鉄向け03系は6両。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
3両編成2本を連結しているため、3両目と4両目は運転台が向かい合っている。【撮影:鉄道プレスネット編集部】
長野には2月2日に到着の予定。【撮影:鉄道プレスネット編集部】