長野電鉄は1月31日、3000系電車を今年2020年に2編成6両を導入すると発表した。これに伴い、現在運用されている3500系電車と3600系電車は順次引退する。
長野電鉄3000系は、東京地下鉄(東京メトロ)の日比谷線で運用されていた03系電車を改造し、形式を変更して導入するもの。長野電鉄としては初めての交流モーターによるインバーター制御車両で、同社は「電力消費量の削減につながる、環境に優しい省エネルギー車両」としている。冷房能力も3500系と3600系より高く、快適性が向上するという。
営業運転の開始はゴールデンウィークからの予定だ。
長野電鉄の3500系と3600系は、1961~1971年に日比谷線用として製造された、帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現在の東京地下鉄=東京メトロ)の電車。営団地下鉄時代の形式名は3000系だった。営団地下鉄の車両としては1994年までに引退したが、一部の車両が長野電鉄に譲渡された。
一方、長野電鉄の3000系になる03系は、老朽化した営団地下鉄3000系(長野電鉄の3500・3600系になる車両)の置き換えなどを目的に開発された日比谷線用の電車。1988年から1994年にかけて製造されており、2001年にも事故で廃車になった車両の代替車として03系が製造されている。
日比谷線のホームドア整備にあわせて新型車両の導入が計画されたことから、03系も順次引退している。一部の車両は熊本電気鉄道(熊本電鉄)に譲渡され、昨年2019年から運用に入った。続いて北陸鉄道への譲渡も計画され、今年2020年1月に現地に搬入されている。
長野電鉄は3社目の03系の譲渡先に。かつて営団地下鉄3000系(長野電鉄3500・3600系)の置き換え用として製造された03系が、「再就職先」の長野電鉄でも3500・3600系の置き換え用として導入されることになる。